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一十三十一@billboard Live TOKYO

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 夏の終わりと秋を感じる季節にもアーバンな夜を。

 媚薬系シンガーとして注目され、近年はシーズン・リゾートな作品で話題を集める一十三十一の恒例のビルボードライブ公演。今年の5月にアルバム『CITY DIVE』に因んだステージを繰り広げた彼女だが、その続編となる〈~Surfbank & Snowbank~〉を開催。『CITY DIVE』に続く2013年の『Surfbank Social Club』と2014年の『Snowbank Social Club』をテーマにしたライヴに足を運んだ。

 ちなみに、一十三十一のライヴ観賞記事は次のとおり。

・2014/03/24 一十三十一@Billboard Live TOKYO
・2014/08/31 一十三十一@Billboard Live TOKYO
・2015/10/26 一十三十一@Billboard Live TOKYO



 バックバンドは後列左より冨田謙、南條レオ、ヤマカミヒトミ、小松シゲル、前列左にはトークボックスが設置され、右は奥田健介という布陣。ゲストにはKashif、BTB、PUNPEEと一十三十一サウンドにはなくてはならない人物が登場。特にKashifはギターにヴォーカルにと幾度となく活躍していた。

 当初は〈~Surfbank & Snowbank~〉というテーマをどのようにまとめるのか解からなかった。冬のゲレンデをイメージした『Snowbank Social Club』の楽曲を夏から秋へと移り変わるこの季節に演奏しても特段問題はないが、夏の海のラヴアフェアを歌った『Surfbank Social Club』という対照的な季節の組み合わせだけに多少まとまりを欠くのかもと思ったが、杞憂に終わるどころか、ソフィスティケイトな一十三十一流アプローチでしなやかに季節の移ろいをクルージングしていった。

 冒頭から白いワンピースドレスと赤いハイヒールという上品でコケティッシュな佇まいでハスキーと極甘の合間を縫うような声色を発しながら、フロアをスウィートでアーバンな空間に染め上げていく。声量で圧倒する訳でもなく、フェイクでテクニカルな部分を見せる訳でもない。いわゆるポップス・マナーで純粋に歌う歌謡曲から伝わるスタイルなのだが、ジワリジワリとそのムードに惹き込ませるのは、まさしく“媚薬”ヴォーカルの効果なのだろうか。可憐さと艶やかさが絶妙に配分された立ち振る舞いが、リッチな洒脱感を伴って、まさにアーバンな六本木の夜とリンクしていく。

 早々にKashifを呼び出して夏らしい2曲「Prismatic」「Last Friday Night Summer Rain」をこなすと、「Lonesome Airport」を経て、二人目のゲスト、BTBへ。トークボックスを駆使したBTB参加の2曲目は冬仕様の「Park Suite」。ストールを巻いて夏からの季節の移り変わりをアピールすると、インタールードを利用して衣装チェンジ。先ほどの白いワンピースドレスの上に白のトレンチコートを身に付けて冬モードに。滑らかに夏から冬へ衣替えを成功させた。



 『Snowbank Social Club』から「Frozen Horizon」「Winter Rouge Mellow」を披露して一気に映画『私をスキーに連れてって』の世界観へとバック・トゥ・80'sすると、3人目のゲストのPUNPEEがステージイン。これまでのシャレた空気にちょっぴりナンパなテイストを挿入するべく、キザなフロウでフロアの熱を高めていく。その余熱が冷めやらぬうちにPUNPEEのフリースタイルへ。最初は「オレはシャイだからしゃべるよりフリースタイルで」「一十三十一とフリースタイルでバトルで」という流れから、一十三十一が南條レオの下へ近づきマイクを差し出すと、南條が“ヒトミトイ、ヒトミトイ……”とラップ風に繰り返すという寸劇風を見せて笑わせたが、それを受けてPUNPEEがフリースタイルへ。ポップから“バウンス”へとリズムを変えて、ステージにメリハリをもたらしていた。

 本編ラスト以降はKashifが再び活躍。アンコール後には黒のサングラスをかけて、ヴォーカリストとして一十三十一の横へ並んでのデュエット「羽田まで」を。「無事に羽田までいけるかしら」との一十三十一からの問いに、Kashifは「急がないと」と反応すれば、南條は「(Kashifが作ったこの楽曲は演奏するのが難しいので)もしかしたら蒲田(※)くらいまでかも…」と弱気発言。これに「蒲田はアーバンかしら?」と返すなど、これらのやり取りからはバンド・メンバーの息が合う理由の一つが窺えるよう。曲間で一十三十一とKashifが隣同士で“ボックス”を踏む姿にも微笑ましさを感じてしまう。
(※ 京急線で品川から羽田へ向かう途中に蒲田がある)
 
 そして、Kashifが南條の左横の位置へ着き、サングラスを外してギタリストへと戻ると、『Pacific High / Aleutian Low』からの「夏光線、キラッ。」で幕。カーテンウォールが開き、背後に摩天楼の夜景を感じながらのサマー・グルーヴ・チューンは、文字通りカクテル光線の煌めきを具現化したようなスウィート&メロウな音空間を構築していた。

 スタンディング必至の興奮でアドレナリンが暴発するようなライヴとは対極にはあるが、大人ならではの“嗜み”を持った遊びをしなやかに繰り広げるステージには、シャレた非日常空間体験とともにオーディエンスそれぞれが持つ“思い出”という琴線に触れる訴求力も。知らぬ間に一十三十一マジックの虜になる理由は、その疑似体験化なのかもしれない。

 ここしばらくは本人曰く“人間活動”に入っていたという彼女。その期間の体験が次のアルバムに活かされるかもと話していたが、来年くらいには新しいアルバムを聴けることが出来そうだ。その時にはどんな“アーバン”をもたらしてくれるのか、楽しみに待っていたい。

◇◇◇

<SET LIST>
00 INTRODUCTION ~Surfbank Social Club~
01 Passion Girl(*1)
02 Dolphin(*1)
03 Prismatic(with Kashif)(*1)
04 Last Friday Night Summer Rain(with Kashif)(*1)
05 Lonesome Airport(*1)
06 Feel Like Bayside Love(with BTB)(*1)
07 Park Suite(with BTB)(*2)
08 INTERLUDE ~Snowbank Social Club~
09 Frozen Horizon(*2)
10 Winter Rouge Mellow(*2)
11 Night Flight Telephone Call(with PUNPEE)(*2)
12 Freestyle(PUNPEE)
13 Endless Summer Holiday(with Kashif)(*1)
≪ENCORE≫
14 羽田まで(duet with Kashif)(*3)
15 夏光線、キラッ。(with Kashif)(*3)

(*1)song from album『Surfbank Social Club』
(*2)song from album『Snowbank Social Club』
(*3)song from album『Pacific High / Aleutian Low』

<MEMBER>
一十三十一(vo)

奥田健介(g)
南條レオ(b)
小松シゲル(ds)
ヤマカミヒトミ(sax,fl)
冨田謙(key)

Special Guest:
Kashif(g,vo)
BTB(talkvox)
PUNPEE(vo,rap)



◇◇◇



















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FC東京U-23×秋田@味スタ

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 石川直宏の復帰を勝利で祝うことに成功。

 祝日・敬老の日のJ3リーグ・FC東京U-23対秋田戦は味の素スタジアムでの開催。生憎の雨模様ながら、怪我で戦列を離れていた石川直宏がベンチ入りするとあって、J3としては多くの観客がその雄姿を見ようと、ホーム味スタに集った。
 対戦相手のブラウブリッツ秋田には以前、秋田商高からFC東京へ入団した下田光平(秋田商高-FC東京-水戸-FC東京-水戸-FC東京-町田-FC東京-長崎-秋田)が所属。選手紹介ではFC東京応援席から大きな拍手が贈られていた。

 試合内容としては前半から秋田が好機を演出。最終ラインから一気に前線のサイドへ展開したり、サイドライン沿いを突破したりと、FW呉大陸や久富賢らがスピードを活かして敵陣へ迫る。だが、GK圍の好セーヴもあって得点までは至らない。

 後半も秋田がややペースを握る形。秋田の最大のチャンスは57分。MF浦島貴大のグラウンダーのシュートは左ポスト内側に当たると、ゴールラインを並行するようにボールが弾かれ枠外へ。歓声と落胆の声が入り混じった。
 FC東京U-23は雨で濡れてボールスピードが減速するピッチの状況判断に甘さがあったのか、味方へのパスが弱くシュートチャンスを逃したり、相手に奪われる場面が散見。特に低い位置での横パスを秋田攻撃陣に奪われ、そのまま一気にゴール前へと攻め込まれる場面も少なくなかった。トップチームも同様だが、パススピードや球離れ・判断の速さは、もっと突き詰めていかなければいけない課題だろう。

 しかしながら、66分、ホーム味スタの雰囲気をさらに高める石川の登場により、FC東京U-23のギアが上がる。大きな拍手で迎えられた石川へは当初はなかなかボールが渡らなかったが、その一挙手一投足に歓声が起こると、周囲の選手たちにもその期待の大きさが伝わったのか、時間が進んでも明らかなスタミナロスも見られず、攻勢に出る。その後、一進一退の攻防が続いたが、87分に相手がゴール前でカットして流れたボールを拾った柳が右サイドから中央へクロス。エリア中央で受けた林が小山に落とすと、小山のシュートが相手DFに当たってこぼれたところに詰めた水沼が値千金のゴール。その後も攻勢を強めたFC東京U-23は、生地が左からエリア内のユ・インスにクロスを送ると、ユ・インスが後ろから走り込む石川へ落として石川がシュート。惜しくもGKに弾かれてゴールならずという場面も演出。最後は時間を稼ぎながらも攻撃を続けて、ホーム味スタで勝ち点3を獲得した。

 チームとしては全体的なパフォーマンスでの課題はあったが、とにもかくにもこのは石川直宏の復帰と無事にプレイし終えたことが一番だろう。まだトップギアには入れられないだろうが、焦らずに試合勘を取り戻してもらいたい。

◇◇◇

【J3リーグ戦 第22節】
2016年09月19日/味の素スタジアム/13:00キックオフ
観衆:3,236人
天候:曇時々雨、弱風
気温:22.9度/湿度:85%
主審:金次雄之介/副審:西山貴生、岩崎創一/4審:佐野元康

 FC東京U-23 1(0-0、1-0)0 秋 田

得点:
(東):水沼宏太(87分)
(秋):

≪スターティングラインアップ≫ ※ オーバーエイジ枠(GK1名含む)
31 GK 圍謙太朗 ※
26 DF 柳貴博
43 DF 鈴木喜丈
25 DF 小川諒也
15 DF 小山拓哉
34 MF 野澤英之
45 MF 小林真鷹 → 生地慶充(59分)
48 MF 水沼宏太 ※
23 MF 林容平  ※
30 MF 内田宅哉 → 石川直宏(66分)
32 FW ユ・インス

≪サブスティテューション≫
41 GK 波多野豪
21 DF 岡庭愁人
33 DF 蓮川壮大
49 DF 坂口祥尉
18 MF 石川直宏 ※
19 MF 平岡翼
42 MF 生地慶充

≪マネージャー≫
中村忠

◇◇◇

【J3リーグ】
第01節 2016/03/13(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 相模原(A・ギオンス)
第02節 2016/03/20(日)14:00✕FC東京U-23 2-3 琉 球(H・味フィ西)
第03節 2016/04/03(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 秋 田(A・A-スタ)
第04節 2016/04/10(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 富 山(H・味フィ西)
第05節 2016/04/17(日)14:00△FC東京U-23 1-1 G大23(H・夢の島)
第06節 2016/04/24(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 鳥 取(A・とりスタ)
第07節 2016/05/01(日)14:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(H・味フィ西)
第08節 2016/05/08(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 YS横浜(A・ニッパツ)
第09節 2106/05/15(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 大 分(A・大銀ド)
第10節 2016/05/22(日)15:30△FC東京U-23 0-0 鹿児島(H・夢の島)
第11節 2016/05/29(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 長 野(A・南長野)
第12節 2016/06/12(日)14:00△FC東京U-23 1-1 藤 枝(H・味フィ西)
第13節 2106/06/18(土)19:00✕FC東京U-23 1-2 C大23(A・金鳥スタ)
第14節 2016/06/26(日)17:00〇FC東京U-23 1-0 盛 岡(H・味フィ西)
第15節 2016/07/03(日)15:00△FC東京U-23 1-1 福 島(H・駒 沢)
第16節 2016/07/10(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 藤 枝(A・藤枝サ)
第17節 2016/07/16(土)17:00〇FC東京U-23 5-1 琉 球(A・沖縄県陸)
第18節 2016/07/24(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 大 分(H・夢の島)
第19節 2016/07/31(日)17:00✕FC東京U-23 0-1 鳥 取(H・味フィ西)
第20節 2016/08/07(日)17:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(A・栃木グ)
第21節 2016/09/11(日)13:00△FC東京U-23 1-1 盛 岡(A・盛岡南)
第22節 2016/09/19(月)13:00〇FC東京U-23 1-0 秋 田(H・未 定)

第23節 2016/09/25(日)16:00 FC東京U-23×鹿児島(A・鴨 池)
第24節 2016/10/02(日)14:00 FC東京U-23×YS横浜(H・味フィ西)
第25節 2016/10/16(日)13:00 FC東京U-23×富 山(A・富 山)
第26節 2016/10/23(日)14:00 FC東京U-23×G大23(A・未 定)
第27節 2016/10/30(日)14:00 FC東京U-23×相模原(H・味フィ西)
第28節 2016/11/05(土)13:00 FC東京U-23×長 野(H・駒 沢)
第29節 2016/11/13(日)13:00 FC東京U-23×福 島(A・とうスタ)
第30節 2016/11/20(日)13:00 FC東京U-23×C大23(H・夢の島)

◇◇◇

【オーバーエイジ枠】
※試合メンバー枠3名+GK1名

【U-23世代選手】
06 DF 室屋成
19 MF 平岡翼
24 MF 佐々木渉
25 DF 小川諒也
26 DF 柳貴博
28 MF 幸野志有人 → 山口へ育成型期限付き移籍
32 MF ユ・インス
34 MF 野澤英之
37 MF 橋本拳人
39 MF 中島翔哉
【JFA・Jリーグ特別指定選手・2種登録選手】
15 DF 小山拓哉(特別指定選手) 
21 FW 半谷陽介(FC東京U-18)
28 MF 伊藤純也(FC東京U-18)
30 MF 内田宅哉(FC東京U-18)
33 DF 蓮川壮大(FC東京U-18)
35 FW 矢島輝一(特別指定選手)
36 DF 山田将之(特別指定選手)
40 DF 岡崎慎 (FC東京U-18)
41 GK 波多野豪(FC東京U-18)
42 MF 生地慶充(FC東京U-18)
43 MF 鈴木喜丈(FC東京U-18)
45 FW 松岡瑠夢(FC東京U-18)
46 GK 高瀬和楠(FC東京U-18)
49 FW 鈴木郁也(FC東京U-18)

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Jill Scott@Zepp DiverCity TOKYO

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 圧巻のソウル・グルーヴ。

 ビルボードライブ開業のオープニング公演としてスティーリー・ダンやベイビーフェイスらとともにラインナップされていたのが2007年8月。だが、発表直後の2007年5月にジル・スコットの来日公演延期が決定。“延期”ということだったが、その後来日公演決定の知らせは待てど暮らせど届かず、9年の月日が経っていた。
 
 日本には縁がないのか、と諦めかけていた2016年8月、翌9月に横浜・赤レンガで行なわれる都市型フェス〈SOUL CAMP〉での来日決定に続き、一夜限りの単独公演の一報が。ネオソウル好きならば誰もが熱くなること間違いなしのネオソウル・ディーヴァの初来日のステージを目に焼き付けるべく、雨風吹き荒れる天候の中、東京・台場のZepp DiverCity TOKYOへ駆けつけた。

 3連休後の平日の夜、台場というやや不便なロケーション、荒天と悪条件が重なったが、ディアンジェロやマックスウェル公演も盛況ゆえ、ネオソウル、R&Bなどブラック・ミュージック・ラヴァーの多くが集うことを期待していたのだが、開演30分前過ぎに急ぎ足でフロアへ向かうと“グラミー・3タイムス・ウィナー”のライヴとしてはあまりにも寂しい集客状態。後方の一部は立入禁止区域となり、後方高台の前方には急遽パイプ椅子が並べられていた。2階席も合わせて約2500弱のキャパに300人前後の客入りは、非常に残念の一言。「クリス・ブラウンはソールドアウト(その後公演中止が決定)なのに、ジル・スコットはこれか。日本にいるR&Bやソウル好きだと言うヤツの7割は“なんちゃって”でしかないな」など理不尽な怒りにも近い思いが去来する一方、「この状態でジル・スコットは果たして懸命にステージを全うしてくれるだろうか」という不安がよぎる。

 というのも、海外アーティストが来日する場合、いわゆる“やっつけ”というか、特に何か機嫌を損なうと適当にあしらって終えることも少なくない。それゆえ、この惨憺たる集客数にへそを曲げてしまうのではないかと。開演時刻を10分、20分と過ぎてもBGMのヒップホップ・トラックが続いていくばかり。ステージ上には左からコーラス隊のスタンドマイクが3本、パーカッション、ドラムセット、キーボードなどフルバンドらしきセットが薄っすらと窺えるが、いっこうにバンドメンバーが登場してくる気配がない。奇しくもディアンジェロ公演とほぼ同じく定刻より45分が過ぎた頃、BGMと照明が消え、バンドメンバーがステージイン。デビューして16年、フィラデルフィアが生んだ“ネオソウルの女王”の初来日公演が幕を開けた。



 ギター、ベース、キーボード、ドラム、パーカッション、サックス、トランペット、コーラス3名(ザ・パイプス)、そしてジル・スコットと総勢11名が揃ったステージは、開演前の不安を一瞬にして吹き飛ばすようなパフォーマンスに終始。いわば、これぞ“プロフェッショナル”というに相応しいステージングで、フロアの観客を圧倒した。バランスがとれたバンド・サウンドは、歯切れのいいホーン・セクション、ヒップホップ・スタイルを組み込み、踊りながら魅惑のハーモニーで華を添えるキャップを被った男性コーラス隊、ファンクからロックとリズムを奏でるギター&ベース、時にはゴーゴーのような展開でも小気味よいリズムを生み出したドラム&パーカッション、バラードでは麗しいメロディを紡いだキーボードと、スタンドプレーなど皆無な“ミス・ジル・スコット・バンド”として機能しているがゆえ。同時にソウル・グルーヴ濃度の高い演奏で、その矜持を知らしめていた。

 主役であるジル・スコットはさすがの風格、貫録。微笑みを絶やさず、また観客を煽るような表情豊かな顔立ちで語りかける。時には胸の前で手を合わせ、決して多くはない観客へジル・スコットの音楽を愛してくれることとサポートしてくれることへの感謝の言葉も呟いていた。
 彼女のヴォーカルワークはパワフルだが、ただ力でドンと押し付けるような一辺倒のものとは異なり、非常に深みがあってフレシキブル。R&B、ソウル、ファンク、ジャズ、ロックと色合いを変えるサウンドに、包容力と豊かな表現力で彼女ならではのグルーヴを生み出していく。オープニング・パンチにしてファットでゴージャスな音鳴りのなかで怒涛の迫力でフロアを呑み込む「カミング・トゥ・ユー」をはじめ、“I'm taking my freedom~”の一節で即座に耳目を釘付けにした「ゴールデン」、朝の小鳥のさえずりのようなリフレインがキュートで美しい「ホワットエヴァー」、コーラス隊“ザ・パイプス”とのハーモニーとスムースなグルーヴを繰り広げネオソウル然とした「ゲッティン・イン・ザ・ウェイ」(ザ・パイプスは「フールズ・ゴールド」でも良い仕事ぶり)、ホーン・セクションとのアッパー・ジャズ・ファンクなムードも絡めながら“love, love, love,……”のコール&レスポンスやスキャット風のヴォーカルワークを見せた「イッツ・ラヴ」、抑揚激しいフェイクやラップ風パートを巧みに繰り出す「ア・ロング・ウォーク」、そして何といっても、厳かなオペラ風のダイナミックなヴォーカリゼーションで凄味をもって圧倒した導入からしなやかに展開した「ヒー・ラヴズ・ミー」と、楽曲ごとにその懐の深さを体感。紛い物ではない“リアル・ソウル・ショウ”でフロアに集ったファンを文字通り魅了していった。

 微笑みかける表情にも愛が溢れ、終盤で「日本語が解からないから、しっかりと伝えたい」ということで通訳を呼び出すも、そこで通訳させた言葉がおおまか通訳しなくても理解出来る内容だったり(おそらくライヴ中に発する言葉への反応がイマイチだったゆえ、言葉が通じてないと判断しての機転だったと思うが)というところも含め、ファンにはいっそう愛らしく感じられたのではないだろうか。機嫌が悪くなり、適当にステージを終えて帰るのではないかという当初の不安とは180度異なる姿に、よりプロフェッショナルなものを感じた。

 ただ、惜しむらくはアンコールなしの約70分というやや短めのステージだったということか。最後の楽曲へ入る前にはまだ1時間を経過していなかったが、長尺のバンド・メンバー紹介を組み込んだゆえの1時間超えの70分。素晴らしいライヴだっただけに、“楽しい時間はあっという間”という感覚からするとかなり短く思えたのではないか。とはいえ、セットリストを鑑みると、二日前に行なわれた〈SOUL CAMP〉とほぼ同一らしいということから、当初より〈SOUL CAMP〉に照準を合わせた“追加公演”としての意味合いが大きかったのだろう。さもすれば、致し方ないどころか、初来日となれば充分過ぎるステージだった。集客という意味では、当日価格で1万円を超えるチケット設定は(ビルボードライブやブルーノートではなくライヴハウスとして考えると)やや高価ゆえ、二の足を踏ませたのだと思うが(当日アンドラ・デイやアンダーソン・パックの公演へ行ったR&B/ソウル・ファンはいいとして…苦笑)、どちらかといえばEDMなどのクラブ・ミュージックに重心を寄せている日本では、R&Bやネオソウルの浸透は厳しい状況なのかなとも。

 ようやく2007年から待ち続けた公演を堪能してその余韻が続いているが、次は是非ともビルボードライブやブルーノートほか中小規模のクラブハウスにて、ロケーション良好な状態で迎えたいところ。ソウルフルではなくてソウル、グルーヴィではなくてグルーヴがほとばしる、艶と濃厚なコクを含んだソウル・グルーヴ・エンターテインメント・ショウの真髄を垣間見た瞬間を近いうちに再び体感したいものだ。



◇◇◇

<SET LIST>
00 INTRODUCTION
01 Coming To You
02 Golden
03 Whatever
04 Is It The Way
05 Fools Gold
06 Getting In The Way
07 Hate On Me
08 It's Love
09 A Long Walk
10 Real Thing
11 Gimme
12 He Loves Me

<MEMBER>
Jill Scott(vo)

Ben O'Neill(g)
Dw Wright(b)
Jamar Jones(key)
Rashid Williams(ds)
Dominique Thomas(perc)
Mike Burton(sax)
Matt Cappy(tp)
The Pipes(back vo)
 Deonis Cook
 Corte' Ellis
 Bluu Suede


◇◇◇











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星野みちるの黄昏流星群Vol.5@代官山UNIT

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 爽やかな佇まいでモダンなポップスを歌うシンガー、星野みちるの自主企画イヴェント〈星野みちるの黄昏流星群〉。その第5弾となる〈VIVID SOUND Presents「星野みちるの黄昏流星群Vol.5」〉が、9月7日にリリースされたカヴァー・アルバム『マイ・フェイバリット・ソングス』のリリースパーティを兼ねて開催。Wack Wack Rhythm Bandのメンバーを中心とした“流れ星楽団”をバックに歌うほか、アートディレクターの信藤三雄がリーダーを務め、80年代初頭に2年活動して解散するも2012年に復活を遂げたバンド“スクーターズ”の出演、Perfumeが在籍したアクターズスクール広島の後輩となるアイドル・ユニット“まなみのりさ”や篠崎愛らとのアイドル・グループAeLL.のリーダー経験もある“西恵利香”などがゲスト参加するという、この手のライヴハウスでの公演としてはなかなか豪華な内容。

 その主たる目的は、当初は“and more...”とアナウンスされていた出演者にこの2月末にEspeciaを卒業した脇田もなりがオープニングアクトで登場するということ。Especia卒業後は音沙汰なくその動向にヤキモキしていたファンも多かったと思うが、9月に入りソロ・シンガーとして再始動し、11月にシングルを発表することが告げられた。この23日の〈黄昏流星群Vol.5〉で晴れて復活となる貴重なステージを観賞すべく、代官山UNITへ足を運んだ。

◇◇◇



 VIVID SOUNDからのソロ・シンガーとしての再出発打診を受け、大阪から上京した脇田もなり。星野みちるを手掛けるはせはじむのプロデュースによるソロ・デビュー・シングルも披露されるとあって、旧体制のEspeciaのファンも多くオープニングアクトに目を注いだ。

 冒頭に披露された「IN THE CITY」はディスコ・ポップで、旧体制Especiaとの近似性も感じられるサウンド。インドネシアのバンドでEspeciaに「アビス」を提供したikkubaruのカヴァー「Cloudless Night」を挟んで、最後はファンキーなギターとシンセベースが鳴るもそれほど黒さを感じさせずメロウな雰囲気も含んだミディアム「あのね…」。以前のように突き抜けるような歌唱はあまり見せずにいたのは、ソロ・シンガーとして新たな一面を引き出したいという思惑もあるか。これまではグループとしてのソロ・パートだっただけに、ソロで歌われる叙情的な詞世界は、彼女の言葉や表情がより伝わってくるという意味で新鮮と言えるだろう。
 ただ、このオリジナル2曲だけでは判断しづらい、というのが正直なところ。はせはじむプロデュースというところで星野みちる路線を継承あるいは寄り添う形になるのか、シンガーとしての脇田もなりのポテンシャルを強調するスタンスに移行していくのか、しばらくはその動向を見守りたいところだ。

◇◇◇



 あっという間に脇田もなりのオープニングアクトが終わり、次にステージインしたのが3人組のまなみのりさ。まなみ(谷野愛美)、みのり(岡山みのり)、りさ(松前吏紗)の3人の名前を繋げたのがグループ名となっている。同郷でアクターズスクール広島の同窓ということもあってか、まなみがロングヘア、みのりが金髪ショート、りさがボブと、Perfumeよろしくしっかりとそれぞれのキャラクターイメージを作っている。TV等では見たことがあるのだが、ライヴは初見。彼女らについては“ライヴでファンがぐるぐる回るキラー・チューンがある”という程度の知識しかなかったが、2007年にインディ・デビューというからもうすぐ10年選手となりヴェテランの域。ヴォーカルワークや歌唱力に強烈なインパクトがある訳ではないが、3人がそれぞれの長所を伸ばし、短所を補うというバランス感覚がいい。ダンスにも時折Perfumeを思わせる“振り”も見え隠れして、先輩の良さを受け継いだトライアングルの妙を感じた。
 楽曲は毒気のない爽快なダンサブル・ポップが中心。「ポラリス Episode ZERO」や「真夏のエイプリルフール」を聴くに、アイドルというよりJ-POPとしての純度が高そうな楽曲で、きっかけ次第で広く受け入れられそうな感じがした。

◇◇◇



 3番目は西恵利香。2014年9月でアイドル・グループのAeLL.が無期限活動休止となり、ソロ活動に専念しているようだ。彼女は名前は聞いたことがある程度で、楽曲の知識も皆無。Erika.名義でのミニ・アルバム1枚を経て、2015年1月に西恵利香としてデビュー。この日はシングル「MUSICを止めないで」をはじめ6曲を披露したが、何といってもその歌唱力が魅力。いわゆる“アイドル”出身(今もその立ち位置なのかもしれないが)としては群を抜いているといっていい。非常に快活で不純度が限りなく低い声質で、爽快というよりも痛快という印象が強い。80年代の邦楽ポップス(洋楽を意識したファンキーなアレンジなど)やニューミュージックを意識した作風にも合っている。どことなくEPO(とハーフのファッションモデルを足した)を想起させるルックスもあって、この日は星野みちるが「土曜の夜はパラダイス」を披露したが、彼女の方がよりそのカヴァーにハマるような印象も。

 まだ主だったヒットはないようだが、調べてみると誕生日が平成元年の1月11日と“1”並びのゾロ目。幸運の持ち主なら……今後の大きな飛躍が期待出来るかもしれない。

◇◇◇



 最後はこのイヴェントの主役の星野みちる。元AKB48ということだが、大きくヒットする以前の第1期ということで、それも今や昔とのこと。彼女を見たのは、2013年10月のタワーレコード新宿店の15周年を記念したライヴ〈タワーレコード新宿店15周年大感謝祭~N/E/W/H/O/T/E/L~〉公演(詳細はリンク先参照)以来か。トークでは“ゆるふわ”というか本人も「イライラするでしょ」と自虐するほどの気ままっぷりだが、ステージでは一変して楽曲の世界へと入り込む歌唱とのギャップが魅力。小西康陽、高浪慶太郎ほか気鋭の制作陣が楽曲提供を手掛け、“渋谷系”あたりを緩やかになぞるような曲風を中心に発表しているが、ただ、彼女の場合は、星野みちるでしか成し得ない“みちるワールド”をどれだけ楽しめるかが、彼女のライヴを満喫する第一歩なのだと思う。

 新譜『マイ・フェイバリット・ソングス』から惜しげもなく楽曲を披露し、途中で台本棒読み(しかも背後のスクリーンに映し出される)の侠客芝居を模したと思われる寸劇(最後に袋に入っていた小判、もといハッピーターンをフロアにいる“貧乏な民衆ども”にばらまくというオチ)を挟んで、流れ星楽団をバック・バンドに迎えての二部構成。星野みちると流れ星楽団は手の内を知った仲のようで、星野の“フリ”にもしっかりと応える一方、演奏では一体感ある高いテクニックで歌い手をサポート。かつて共演で披露したことがあるというスクーターズを呼び込んでのモータウンやドゥー・ワップの要素をアレンジに採り入れた「恋するフォーチュンクッキー」、西恵利香が再登場しての星野みちる楽曲デュエットなどヴァラエティに富んだ構成でフロアに和やかながらもホットな心地良い空間を醸し出していく。
 そのほか、昭和時代風のアイドルコールを強要(?)する「腰抜け男子にアイラビュー」などでの毒づいたMCもありつつ、歌唱ではスウィートネスと艶やかさを自在に行き来する柔軟性を披露。アイドルらしいキュートな少女性を見せたかと思えば、しっとりとした大人の表情をも兼ね備えたりと、実に猫の目のように変化するステージングは、いつの間にか虜になってしまう中毒性をも秘めているような気がした。

 ところで、このライヴ中のバックスクリーンにはサリー久保田によるVJが施されていたのだが、斉藤由貴や南野陽子の『スケバン刑事』時代の映像や「ウォークマン」のCM、『オレたちひょうきん族』の懺悔室の神様の映像など、ヴィジュアル面からも80年代モードを演出。ぽわんとした印象ながらも実は要所要所で計算高かったりする(?)星野のターゲット層を的確に射抜いた戦略を、文字通り背後から援護射撃しているようで、なかなか面白かった。

◇◇◇

<SET LIST>

≪脇田もなり≫
01 IN THE CITY
02 Cloudless Night(Original by ikkubaru)
03 あのね…

≪まなみのりさ≫
01 ポラリス Episode ZERO
02 Darkness
03 桜エトランゼ
04 真夏のエイプリルフール

≪西恵利香≫
01 MUSICを止めないで
02 予感
03 常花
04 Morning Sun
05 private dance
06 サマーパーティ

≪星野みちる #1≫
01 インターステラー
02 星間連絡船~Night Voyage~
03 私はシェディー
04 SWEET 19 BLUES(Original by 安室奈美恵)(*1)
05 夏なんだし
06 SUMMER CANDLES(Original by 杏里)(*1)
07 い・じ・わ・る・ダーリン
08 ワンダランド
09 この道で
10 土曜の夜はパラダイス(Original by EPO)(*1)

≪寸劇≫
「みち松三度笠」
出演:星野みちる、まなみのりさ、西恵利香、長野文夫(VIVID SOUND社長)

≪星野みちる #2≫ (順不同)
01 私がオバさんになっても(Original by 森高千里)(*1)
02 ずっと一緒さ(Original by 山下達郎)(*1)
03 You Love Me
04 ピーベリーを見つけたら
05 腰抜け男子にアイラビュー
06 彼のアイリッシュ・セッター
07 恋するフォーチュンクッキー(with The Scooters)(Original by AKB48)(*1)
08 ディスコティークに連れてって(with 西恵利香)
09 恋のファンフェアー(with 西恵利香)
≪ENCORE≫
10 天国のキッス(Original by 松田聖子)(*1)
11 マジック・アワー

※(*1): song from album『マイ・フェイバリット・ソングス』


<MEMBER>
星野みちる(vo)

SPECIAL GUEST:
西恵利香(vo)
まなみのりさ(vo)
脇田もなり(vo)

友情出演:
ロニーバリー(The Scooters)(vo)
ビューティー(The Scooters)(vo)
信藤三雄(The Scooters)(tambourine)

流れ星楽団:
 小池久美子(Wack Wack Rhythm Band)(as)
 Tomoko(Wack Wack Rhythm Band / sloppy joe)(tp)
 三橋俊哉(Wack Wack Rhythm Band)(ts)
 伊藤寛(Wack Wack Rhythm Band)(key)
 山下洋(Wack Wack Rhythm Band)(g)
 後藤正成(SCAFULL KING, WUJA BIN BIN)(bs,fl)
 岩渕尚史(sloppy joe)(b)
 原gen秀樹(ds)
 福田恭子“おきょん”(perc,cho) 

サリー久保田(VJ)

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G大阪×FC東京

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 繰り返される得点直後の失点劇。

 FC東京15本、G大阪9本というシュート数でも判るように、前半からFC東京がボールを支配。もちろんFC東京が攻撃の姿勢を強めていたのだが、G大阪の寄せの甘さや間延びして広くスペースを生むなどの出来の悪さに助けられたところも。さらには、長沢だけで少なくとも二度の決定機があったりと、得点に近づく機会という意味ではG大阪の頻度が高かったのかもしれない。

 大森のパスミスから田邉がミドルを決めて先制して口火を切ると、同じように寄席の甘さを突かれてミスをした大森にグラウンダーのシュートを決められて同点。一度、冷静になりチームを立て直すことが重要なのだが、その要となるべきGKの秋元が飛び出しでボールを触れずに交わされた2失点目は痛恨の極みだ。

 その後も両者攻撃モードを継続し、FC東京も高い位置でボールを奪って幾度となく相手ゴールへ近づこうとするもその威力が弱まり、なかなか攻勢の圧力を高められない時間が続く。中島はシュートの意識は高いが、ややボールを受けてから持ち過ぎのきらいもあり、ミドルシュートも枠外が多かった。また、ワイドに攻め込みたかったが、どうしても中へ入る比重が大きく、狭い地域で無理に突破しようとしてカウンターを食らう悪循環も露呈。サイドからのクロスの質がイマイチだったことも中央突破に重心を寄せてしまったこととなったか。

 田邉、河野の2本のミドルは素晴らしかった。その一方で、エリア内でのシュートの意識の低さや反応の鈍さが気になるところ。東と河野のワンツーでボックスに侵入した時などはもう1、2テンポ早くにシュートを撃つべきで、前田も含めて、何かシュートするのに遠慮みたいなものも感じられる。おそらくそれはゴールが見えたらシュートを撃つという貪欲性よりも確実性を求めているのかもしれないが、一番得点率が高まるのは、相手DFが守勢を取る前にシュートを枠に撃つことなのだ。
 
 そして、問題の失点。大森のシュートへの寄せの甘さ、秋元の不用意過ぎる飛び出し、丸山が即座に外に蹴り出さずにボールを奪われた……という失点の直接的要素に当該選手に詰め寄ったところで、これからの失点がなくなる訳ではない。大切なのはしっかりと連係と指示がとれているのかということ。浦和に続きG大阪にも3失点を食らった守備を早急に修正しなければならない。やはり、一つの要因は攻守ともに判断の遅さが挙げられる。攻撃では相手に寄せられる前に早い段階で速く相手がいない味方攻撃陣やスペースにボールを送ることで、相手の走らせることが出来るのと同時にボールを奪われる危機から遠ざけることが可能となる。それの積み重ねがボールと人を動かすということにも繋がってくる。

 これらは攻撃に限らずに、守備でも同じ。無理して繋ごうとするのではなく、自陣に押し込まれている時はセーフティファーストでボールをクリアする、明確な意図を持ったクリアやパスをすることで、失点の予防性を高めることが出来るはずだ。さらには、攻撃から守備、守備から攻撃といった攻守の切り替え時の全体的な意思統一がなされているかが肝要だ。これがうまく統率されていないと、チームバランスが崩れ、大きなスペースを生み、守備の綻びへと移行してしまう。

 J1リーグは残り4試合。前節で残留を決めたが、ここでプレーオフ出場の可能性も潰えた。リーグでのモチベーションを維持するのには難しい状況ではあるが、このまま単に結果として中位に落ち着くで終えるのか、飛躍への足掛かりとすべく奮闘するのかでは、全く来るべき将来像が異なってくる。
 次はアウェイの広島、さらには浦和とのルヴァンカップ準決勝2戦(さらには決勝)を挟み、ホームで鹿島と乗り越えなければならない壁が続く。チームとしての底上げへの注力も含めて、ピッチで戦える選手を起用する勇気を持ちながら、眼前の試合へと挑んでもらいたい。

◇◇◇
 
【J1リーグ戦 第13節】
2016年09月25日/市立吹田サッカースタジアム/16:04キックオフ
観衆:30,141人
天候:曇、無風
気温:28.9度/湿度:60%
主審:福島孝一郎/副審:相樂亨、武部陽介/4審:馬場規

 G大阪 3(2-2、1-1)3 FC東京

得点:
(G):大森晃太郎(15分)、長沢駿(18分)、藤春廣輝(90+1分)
(東):田邉草民(13分)、河野広貴(22分)、平山相太(90分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
03 DF 森重真人
05 DF 丸山祐市
02 DF 徳永悠平
10 MF 梶山陽平 → 羽生直剛(81分)
27 MF 田邉草民
17 MF 河野広貴 → 橋本拳人(74分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉
20 FW 前田遼一 → 平山相太(86分)

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
29 DF 吉本一謙
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
37 MF 橋本拳人
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ
 
≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【J1リーグ】

≪2ndステージ≫
第01節 2016/07/02(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥 栖(A・ベアスタ)
第02節 2016/07/09(土)19:00〇FC東京 1-0 甲 府(H・味スタ)
第03節 2016/07/13(水)19:00✕FC東京 1-2 福 岡(A・レベスタ)
第04節 2016/07/17(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (H・味スタ)
第05節 2016/07/23(土)18:30✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第06節 2016/07/30(土)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(A・デンカS)
第07節 2016/08/06(土)19:00〇FC東京 3-2 磐 田(H・味スタ)
第08節 2016/08/13(土)19:00✕FC東京 1-4 神 戸(A・ノエスタ)
第09節 2016/08/20(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(H・味スタ)
第10節 2016/08/27(土)18:00△FC東京 1-1 名古屋(A・豊田ス)
第11節 2016/09/10(土)19:00〇FC東京 3-0 湘 南(H・味スタ)
第12節 2016/09/17(土)19:00✕FC東京 1-3 浦 和(H・味スタ)
第13節 2016/09/25(日)16:00△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)

第14節 2016/10/01(土)19:00 FC東京×広 島(A・Eスタ)
第15節 2016/10/22(土)14:00 FC東京×鹿 島(H・味スタ)
第16節 2016/10/29(土)14:00 FC東京×仙 台(H・味スタ)
第17節 2016/11/03(木)13:30 FC東京×大 宮(A・NACK)

◇◇◇

≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮(H・味スタ)
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸(H・味スタ)
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋(H・味スタ)
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (A・ 柏 )
第07節 2016/04/16(土)15:00✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第08節 2016/04/24(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府(A・中銀スタ)
第09節 2106/04/29(金)17:00✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第11節 2016/05/08(日)16:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・BMWス)
第12節 2016/05/13(金)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖(H・味スタ)
第14節 2016/05/29(日)17:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第15節 2016/06/11(土)15:00△FC東京 0-0 磐 田(A・エコパ)
第10節 2016/06/15(水)19:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第16節 2016/06/18(土)19:00△FC東京 1-1 新 潟(H・味スタ)
第13節 2106/06/22(水)19:30✕FC東京 2-3 浦 和(A・埼 玉)
第17節 2016/06/25(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(A・日産ス)

≪1stステージ 順位表≫
01 鹿 島 39/17/12/3/02/29/10/+19
02 川 崎 38/17/11/5/01/33/15/+18
03 浦 和 33/17/10/3/04/26/16/+10
04 広 島 29/17/08/5/04/32/18/+14
05 大 宮 26/17/07/5/05/17/18/-01
06 G大阪 24/17/07/3/07/22/20/+02
07  柏  24/17/06/6/05/20/21/-01
08 磐 田 23/17/06/5/06/21/23/-02
09 FC東京 23/17/06/5/06/16/18/-02
10 仙 台 23/17/07/2/08/20/25/-05
11 横浜FM 22/17/06/4/07/21/19/+02
12 神 戸 20/17/05/5/07/23/25/-02
13 新 潟 18/17/04/6/07/19/25/-06
14 名古屋 17/17/04/5/08/24/29/-05
15 鳥 栖 17/17/04/5/08/10/15/-05
16 湘 南 16/17/04/4/09/18/27/-09
17 甲 府 15/17/03/6/08/18/31/-13
18 福 岡 11/17/02/5/10/11/25/-14
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇







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巨人×中日@東京ドーム

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 劇的な幕切れも、クライマックスシリーズに不安を残す内容。

 残塁の山を積み重ねた巨人だが、それ以上に中日も酷く、拙攻に拙攻を繰り返して9回へ。澤村が3人で中日の攻撃を終わらせていい流れを作り、巨人は9回裏に先頭打者の立岡がライト前ヒットで出塁。当然送りバントの場面だが、続く長野は2球バントを失敗させた後、強攻策が裏目に出てセカンドゴロのダブルプレーでチャンスの芽を一気に摘んでしまった。長野は11回裏にも1アウト2、3塁の好機にショートゴロで3塁ランナーがホームアウトとなるなど、状況に応じた打撃が出来ず。
 その悪循環で12回表に中日に好機が巡りかける。2死ランナーなしから福田がヒット、続くエルナンデスが右中間最深部への2塁打を放つも、1塁走者の福田がホームに突っ込んでタッチアウト。これで巨人の負けはなくなった。12回裏、1死満塁で寺内がキャッチャーファウルフライで倒れてチャンスが潰えたかに思えたが、小林誠がセンターへタイムリーを放って、形としてはいい流れで巨人は連勝を決めたが、打線という意味での粘りはあまり感じられなかった。

 それ以上に気になったのが守備。阿部は記録としては1エラーだが、7回表に藤井の強烈な打球を弾いて内野安打にし、10回表には福田の打球をファンブルして出塁を許して満塁にした後、続くエルナンデスのファーストゴロを一塁ベースへ駆け込む澤村との息が微妙であわや連係ミスとなりかけたりと、守備の不安を露呈。
 また、4安打と打撃は好調だった村田だが、11回表。1アウト1、2塁でサード正面のゴロに先走ったのか、捕球しかけたボールが手に付かず、三塁ベースを踏むのみで終えてしまった。ここは3塁ベースを踏んでのダブルプレーが取りたかっただけに(その後ショートゴロで事なきを得るが)、悔やまれる守備となった。
 そして、小林のリードは相変わらず心許ない。

 ただ、その巨人の穴以上に中日が攻守にわたって不調だったゆえ助かったようなもの。これからクライマックスシリーズで横浜と戦うまでには、そういう流れを変えかねない些細なミスを起こさぬよう、集中しなければならない。今季の巨人は特に打ち合いになると分が悪いのは百も承知なので、先発は最低でも6回までは最少失点で試合を作り、リードしたまま終盤へと繋ぐ試合運びがいかに出来るかだろう。それが出来ていれば、横浜、広島相手でもある程度の戦力対策は可能ゆえ、冷静に判断すれば、そこまで脅威ではないはず。問題なのは、守勢に回った時に己を忘れて慌てふためく展開へ持ち込んでしまうこと。そうなってしまうと、横浜や広島は一気呵成に畳み掛けるのが得意なので、盛り返す間もなく終わってしまう可能性もある。

 高橋由伸監督には、ネームヴァリューにこだわらず、調子のいい選手、モチベーションの高い選手を適宜な場面で起用する采配を見せてもらいたい。

◇◇◇

□2016/09/28(水) 第25回戦
 東京ドーム 試合開始18:00 終了22:38 試合時間4時間38分
 球審:原/一塁:有隅、二塁:佐々木、三塁:橋本
 観衆:30015人

中 日 200 000 000 000 2
巨 人 000 011 000 001x 3

【バッテリー】
(中)大野、若松、又吉、佐藤、岡田、祖父江-杉山
(巨)菅野、大竹寛、山口、マシソン、澤村、田原誠-小林誠
【勝】(巨)田原誠(4勝3敗0S)
【S】
【敗】(中)祖父江(0勝4敗0S)
【本塁打】
(中)福田10号(1回表2ラン)

【戦評】
前夜に続き延長でのサヨナラ勝ちで、巨人の今季2位が確定。中日は初回、福田の2ランで菅野の出鼻を挫く。塁は賑わすもあと一本が出ない巨人だったが、5回、6回に1点ずつを返して同点のまま二夜連続で延長戦へ。12回裏、阿部、村田の連続安打などで2死満塁のチャンスに小林誠がタイムリーを放ち、サヨナラ勝ちで決着。勝利こそ挙げたが、巨人は16安打で3点、中日は13安打で2点と、両チームとも拙攻が目立った試合となった。中日は6連敗でシーズン終了。

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広島×FC東京

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 都民の日、クラブ創設日、東京ドロンパ誕生日に、試合終了間際に中島の劇的ゴールで勝利。

 21対7。広島に3倍のシュートを放たれるも、GK秋元のビッグセーヴを含む粘り強い守備で広島の攻勢を耐えしのぎ、アディショナルタイムの中島のゴールで勝利を呼び込んだ。

 前半から茶島の前にスペースを与え、右のミキッチ、左の柏のサイドから攻められるFC東京。比較的ゆっくりと後ろでボール回しをしていたかと思うと、青山などから供給されたボールで一気に攻め込むスタイルの広島に手を焼く場面が多かったが、それでも25~35分あたりの約10分間にはFC東京も攻勢を続け、リズミカルなパスワークから得点の匂いを感じさせる攻撃も繰り出した。
 その後は再び広島の時間帯へ推移し攻め込まれるなかで、ミキッチと競り合った徳永が負傷。早くも交代を余儀なくされ、右SBに橋本、左SBに室屋が移るという厳しい状況となった。

 後半はゴール前へ攻め込もうとするもシュートを撃ち切れずにブロックされるFC東京と自陣に引きながらカウンターの機会をうかがう広島という構図。終盤には左CKの流れから途中交代でピッチに入った佐藤寿人のボレーシュートを秋元が好セーヴ。FC東京がピンチを逃れると、アディショナルタイムにエリア手前でネイサン・バーンズとのワンツーパスを受けた中島が相手DFを切り返しで置き去りにし、いわゆる“中島のゾーン”エリアへ突入すると右足一閃。これがゴールネットに突き刺さって、FC東京が貴重な先制弾を奪い、そのままFC東京が逃げ切りに成功した。

 結果として勝ち点3は良かったが、それ以上に無失点に抑えたのは大きい。ただ、広島の攻撃のなかで精度を欠く部分もあり、助けられたところも。これが果たして上位に対しても耐えしのぐことが出来るか。次のルヴァンカップの浦和戦は代表に選出された森重、丸山の二人のCBを欠くことになる。ファーストディフェンダーとなる前線の動きとそれと連動した中盤以下とのコミュニケーションをいっそう密にしなければ、浦和にはやられてしまう。中3日と短い期間だが、素早い攻撃、パス展開と連係性を高めた守備を意識した準備をしてもらいたい。

◇◇◇
 
【J1リーグ戦 第14節】
2016年10月01日/エディオンスタジアム広島/19:04キックオフ
観衆:14,975人
天候:曇、無風
気温:25.6度/湿度:89%
主審:山本雄大/副審:田中利幸、今岡洋二/4審:三上正一郎

 広 島 0(0-0、0-1)1 FC東京

得点:
(広):
(東):中島翔哉(90+2分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
03 DF 森重真人
05 DF 丸山祐市
02 DF 徳永悠平 → 橋本拳人(45+1分)
10 MF 梶山陽平 →
27 MF 田邉草民
17 MF 河野広貴 → 羽生直剛(81分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉
09 FW 平山相太 → ネイサン・バーンズ(65分)

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
29 DF 吉本一謙
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
37 MF 橋本拳人
16 FW ネイサン・バーンズ
20 FW 前田遼一
 
≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【J1リーグ】

≪2ndステージ≫
第01節 2016/07/02(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥 栖(A・ベアスタ)
第02節 2016/07/09(土)19:00〇FC東京 1-0 甲 府(H・味スタ)
第03節 2016/07/13(水)19:00✕FC東京 1-2 福 岡(A・レベスタ)
第04節 2016/07/17(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (H・味スタ)
第05節 2016/07/23(土)18:30✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第06節 2016/07/30(土)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(A・デンカS)
第07節 2016/08/06(土)19:00〇FC東京 3-2 磐 田(H・味スタ)
第08節 2016/08/13(土)19:00✕FC東京 1-4 神 戸(A・ノエスタ)
第09節 2016/08/20(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(H・味スタ)
第10節 2016/08/27(土)18:00△FC東京 1-1 名古屋(A・豊田ス)
第11節 2016/09/10(土)19:00〇FC東京 3-0 湘 南(H・味スタ)
第12節 2016/09/17(土)19:00✕FC東京 1-3 浦 和(H・味スタ)
第13節 2016/09/25(日)16:00△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)
第14節 2016/10/01(土)19:00〇FC東京 1-0 広 島(A・Eスタ)

第15節 2016/10/22(土)14:00 FC東京×鹿 島(H・味スタ)
第16節 2016/10/29(土)14:00 FC東京×仙 台(H・味スタ)
第17節 2016/11/03(木)13:30 FC東京×大 宮(A・NACK)

◇◇◇

≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮(H・味スタ)
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸(H・味スタ)
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋(H・味スタ)
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (A・ 柏 )
第07節 2016/04/16(土)15:00✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第08節 2016/04/24(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府(A・中銀スタ)
第09節 2106/04/29(金)17:00✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第11節 2016/05/08(日)16:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・BMWス)
第12節 2016/05/13(金)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖(H・味スタ)
第14節 2016/05/29(日)17:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第15節 2016/06/11(土)15:00△FC東京 0-0 磐 田(A・エコパ)
第10節 2016/06/15(水)19:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第16節 2016/06/18(土)19:00△FC東京 1-1 新 潟(H・味スタ)
第13節 2106/06/22(水)19:30✕FC東京 2-3 浦 和(A・埼 玉)
第17節 2016/06/25(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(A・日産ス)

≪1stステージ 順位表≫
01 鹿 島 39/17/12/3/02/29/10/+19
02 川 崎 38/17/11/5/01/33/15/+18
03 浦 和 33/17/10/3/04/26/16/+10
04 広 島 29/17/08/5/04/32/18/+14
05 大 宮 26/17/07/5/05/17/18/-01
06 G大阪 24/17/07/3/07/22/20/+02
07  柏  24/17/06/6/05/20/21/-01
08 磐 田 23/17/06/5/06/21/23/-02
09 FC東京 23/17/06/5/06/16/18/-02
10 仙 台 23/17/07/2/08/20/25/-05
11 横浜FM 22/17/06/4/07/21/19/+02
12 神 戸 20/17/05/5/07/23/25/-02
13 新 潟 18/17/04/6/07/19/25/-06
14 名古屋 17/17/04/5/08/24/29/-05
15 鳥 栖 17/17/04/5/08/10/15/-05
16 湘 南 16/17/04/4/09/18/27/-09
17 甲 府 15/17/03/6/08/18/31/-13
18 福 岡 11/17/02/5/10/11/25/-14
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇

















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FC東京U-23×YS横浜@西が丘

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 ユ・インスの2ゴールでホームゲーム初の連勝を飾る。

 全体的に試合を優位に進めたFC東京U-23が前半こそノーゴールに終わるも、後半から小川に代わってピッチへ入った岡庭の右サイドの駆け上がりや左サイドへ回った柳から出るボールへ前線が反応するなど、次第に得点の匂いが感じられるようになる。すると、63分に生地クロスをユ・インスが頭で決めてFC東京U-23が先制。その勢いのまま、68分に柳が浮き球を裏のスペースへ放つと同時にゴールへ走り出したユ・インスが綺麗にゴールマウスへ流し込み2得点目。その後も途中投入の平岡がスピードを活かして一気に相手陣へ攻め込むなど、終始ボールを支配したFC東京U-23のペースで試合が展開し、タイムアップ。FC東京U-23がホームでの連勝を果たした。

 シュート数はFC東京U-23が18本、Y.S.C.C.横浜が5本と数字でも明らかだが、球際やセカンドボールへの収束などを見るに、FC東京U-23の個のスキルがY.S.C.C.横浜のそれを上回っていたことは否めない。FC東京U-23はトップチームの選手起用とのやり繰りの難しさもあり、J3リーグでなかなか結果を残せず下位に甘んじているが、Y.S.C.C.横浜はさらに下回って最下位の16位に低迷。ということを考えると、スコアやシュート数などの数字もそうだが、その質の高さをもっと求める必要があろう。アグレッシヴに動いてはいるが、その場限りでの判断や集中力の欠如と疲労から終盤はミスや精度を欠く場面も散見。U-23、トップチームともに言えることだが、意識・無意識に限らず、相手に合わせたプレーが次第に顔を覗かせてしまうクセは今後に成長を自ら止めてしまうことに繋がる。そのあたりをしっかりと肝に銘じておかねばならないだろう。

 小川は前半で交代。アクシデントでの交代ではないと考えられるので、10月5日のルヴァンカップ準決勝1stレグのメンバーとしての調整なのだろう。このところJ1での出場も乏しいため、ここで奮起してもらいたい。
 水沼はフルタイムピッチを駆け巡ったが、やや気負いや焦りがあるのか、もう少し力を抜いてプレーすると、自身の能力をより発揮出来ると思う。細かいところだが、ボールタッチや球離れのタイミングなどの微調整がいましばらくかかるかもしれない。
 ユ・インスは2ゴールの活躍で、水沼同様よく走っていた。ただし、冷静な判断とアグレッシヴな動きとのスイッチの切り替えが彼の課題。レヴェルが高い場所では多くの時間が自分の思いのままにならない。その中でどのように打開するためのアイディアと動きを連動させるかを念頭に置きつつ、再びJ1で戦う準備をしていきたい。

 また、この日は石川はベンチ外。怪我でなければ、5日のベンチ入りもあるか? と考えるのは早急過ぎるか。森重、丸山とCB2名を日本代表選出で欠くルヴァンカップは、J3で戦ってきたメンバーの尽力は不可欠。自身のJ1定着へのチャンスでもあるゆえ、いっそうの奮闘を期待したい。

◇◇◇

【J3リーグ戦 第24節】
2016年10月02日/味の素フィールド西が丘/14:00キックオフ
観衆:1,443人
天候:晴
気温:31.9度/湿度:37%
主審:鶴岡将樹/副審:眞鍋久大、阿部将茂/4審:谷充展

 FC東京U-23 2(0-0、2-0)0 YS横浜

得点:
(東):ユ・インス(63分)、ユ・インス(68分)
(Y):

≪スターティングラインアップ≫ ※ オーバーエイジ枠(GK1名含む)
31 GK 圍謙太朗 ※
26 DF 柳貴博
33 DF 蓮川壮大
40 DF 岡崎慎
25 DF 小川諒也 → 岡庭愁人(46分)
34 MF 野澤英之
43 MF 鈴木喜丈
48 MF 水沼宏太 ※
42 MF 生地慶充
45 MF 小林真鷹 → 平岡翼(60分)
32 FW ユ・インス

≪サブスティテューション≫
13 GK 榎本達也 ※
15 DF 小山拓哉
21 DF 岡庭愁人
19 MF 平岡翼

≪マネージャー≫
中村忠

◇◇◇

【J3リーグ】
第01節 2016/03/13(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 相模原(A・ギオンス)
第02節 2016/03/20(日)14:00✕FC東京U-23 2-3 琉 球(H・味フィ西)
第03節 2016/04/03(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 秋 田(A・A-スタ)
第04節 2016/04/10(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 富 山(H・味フィ西)
第05節 2016/04/17(日)14:00△FC東京U-23 1-1 G大23(H・夢の島)
第06節 2016/04/24(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 鳥 取(A・とりスタ)
第07節 2016/05/01(日)14:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(H・味フィ西)
第08節 2016/05/08(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 YS横浜(A・ニッパツ)
第09節 2106/05/15(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 大 分(A・大銀ド)
第10節 2016/05/22(日)15:30△FC東京U-23 0-0 鹿児島(H・夢の島)
第11節 2016/05/29(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 長 野(A・南長野)
第12節 2016/06/12(日)14:00△FC東京U-23 1-1 藤 枝(H・味フィ西)
第13節 2106/06/18(土)19:00✕FC東京U-23 1-2 C大23(A・金鳥スタ)
第14節 2016/06/26(日)17:00〇FC東京U-23 1-0 盛 岡(H・味フィ西)
第15節 2016/07/03(日)15:00△FC東京U-23 1-1 福 島(H・駒 沢)
第16節 2016/07/10(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 藤 枝(A・藤枝サ)
第17節 2016/07/16(土)17:00〇FC東京U-23 5-1 琉 球(A・沖縄県陸)
第18節 2016/07/24(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 大 分(H・夢の島)
第19節 2016/07/31(日)17:00✕FC東京U-23 0-1 鳥 取(H・味フィ西)
第20節 2016/08/07(日)17:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(A・栃木グ)
第21節 2016/09/11(日)13:00△FC東京U-23 1-1 盛 岡(A・盛岡南)
第22節 2016/09/19(月)13:00〇FC東京U-23 1-0 秋 田(H・未 定)
第23節 2016/09/25(日)16:00✕FC東京U-23 0-1 鹿児島(A・鴨 池)
第24節 2016/10/02(日)14:00〇FC東京U-23 2-0 YS横浜(H・味フィ西)

第25節 2016/10/16(日)13:00 FC東京U-23×富 山(A・富 山)
第26節 2016/10/23(日)14:00 FC東京U-23×G大23(A・未 定)
第27節 2016/10/30(日)14:00 FC東京U-23×相模原(H・味フィ西)
第28節 2016/11/05(土)13:00 FC東京U-23×長 野(H・駒 沢)
第29節 2016/11/13(日)13:00 FC東京U-23×福 島(A・とうスタ)
第30節 2016/11/20(日)13:00 FC東京U-23×C大23(H・夢の島)

◇◇◇

【オーバーエイジ枠】
※試合メンバー枠3名+GK1名

【U-23世代選手】
06 DF 室屋成
19 MF 平岡翼
24 MF 佐々木渉
25 DF 小川諒也
26 DF 柳貴博
28 MF 幸野志有人 → 山口へ育成型期限付き移籍
32 MF ユ・インス
34 MF 野澤英之
37 MF 橋本拳人
39 MF 中島翔哉
【JFA・Jリーグ特別指定選手・2種登録選手】
14 MF 平川怜 (​FC東京U-18)
15 DF 小山拓哉(特別指定選手)
21 FW 半谷陽介(FC東京U-18) ※09/02抹消
21 DF 岡庭愁人(​FC東京U-18)
28 MF 伊藤純也(FC東京U-18) ※09/02抹消
28 MF 品田愛斗(​FC東京U-18)
30 MF 内田宅哉(FC東京U-18)
33 DF 蓮川壮大(FC東京U-18)
35 FW 矢島輝一(特別指定選手)
36 DF 山田将之(特別指定選手)
40 DF 岡崎慎 (FC東京U-18)
41 GK 波多野豪(FC東京U-18)
42 MF 生地慶充(FC東京U-18)
43 MF 鈴木喜丈(FC東京U-18)
45 FW 松岡瑠夢(FC東京U-18) ※09/02抹消
45 MF 小林真鷹(​FC東京U-18)
46 GK 高瀬和楠(FC東京U-18)
49 FW 鈴木郁也(FC東京U-18) ※09/02抹消
49 DF 坂口祥尉(​FC東京U-18)
50 MF 久保建英(​FC東京U-18)

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FC東京×浦和@味スタ【YBCルヴァンカップ】

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 今季三度浦和に逆転負けを食らい、ルヴァンカップ決勝進出は崖っぷち。

 ルヴァンカップ準決勝の1stレグは、後半に浦和が逆転して勝利。アウェイゴール2得点を決めて、決勝進出に有利な展開へ進めた。

 前半は序盤から浦和のペース。FC東京は幾度となくピンチを迎えるも、秋元のビッグセーヴや浦和攻撃陣のシュートミスなどによって辛うじて無失点のまま、長く耐えしのぐ時間が続く。

 後半開始直後はFC東京が東の惜しいFKなどでペースを取り戻し、チャンスを演出すると、49分に右サイドに進出した室屋のニアへのクロスを羽生がバックヘッドでそらしたところへファーサイドに走り込んだ東が頭で押し込み先制点を挙げる。最近の試合では得点直後に失点を喫するパターンが多かったが、ここでは失点に細心の注意を払って守備を固めながら、カウンターに重心を置いた攻撃で追加点を狙う。だが、得点機をものに出来ないでいると、選手交代をしながら浦和が反撃。FC東京はボランチが最終ラインに吸収され、ズルズルと下がる場面が多くなると、77分に左サイドのボックス外で興梠との連係で中央へカットインした高木にミドルシュートを決められ同点に。さらに、3分後の80分には橋本が不用意にボールを奪われてから、平川の右サイドからのグラウンダーのクロスを武藤に決められ逆転。FC東京は平山、ネイサン・バーンズと攻撃の交代カードを切るも、決定機をなかなか生み出せず、6分のアディショナルタイムも浦和に巧く時間を使われて敗戦。決勝進出には痛いアウェイゴール2得点を与えて終了した。

 これで今季浦和と対戦した3試合全てに逆転負け。FC東京、浦和ともども日本代表に選出されたキープレイヤーを欠く布陣だったが、FC東京が守備の要の森重と丸山の二人CBと怪我でしばらく戦列を離れるSBの徳永の穴を埋められなかった一方で、浦和にGK西川、DF槙野、MF柏木を埋められる層の厚さの違いを見せつけられた形だ。

 しかしながら、浦和が素晴らしい出来だったかというと、そうでもなかった。FC東京は浦和の前線にハイプレスを掛けるのはいいとしても、そのセカンドボールが奪えずに浦和にロングフィードで打開される展開に苦心。特にボランチが時間が経つとともに振り回される場面が多くなり、後半に同点とされる前後から疲労の色が隠せなくなると、瞬時の判断や球離れも鈍り、最終ラインい吸収されて浦和への攻勢の流れを強めてしまった。今季、幾度となく目の当たりにした光景だが、そこを改善しない限り、ハイプレスを掛けて先制しても、終盤に逆転されるという構図は崩れそうにない。

 全体的に言えるのは、幾度となく言ってきているが、相手陣内へ攻め込むスピードと球離れや判断など瞬時のスピードが相変わらず遅いことだ。攻撃一つをとってみても、ビルドアップの段階でボールを足元に入れてからルックアップ、出しどころを探すというタイムロスを常に抱えていては、相手も対応しやすくなる。カウンターで一気に相手陣内へボールを運び、守備の枚数が揃わないなかでシュートを撃ち切れず、結局ボックス付近でボールをこね回したり、カットインして相手DFを振り切ろうとするも振り切れずにシュートチャンスを失う場面が散見。また、攻撃も単調なものが多く、スペースがある左サイドでボールを待ち受ける小川へのサイドチェンジなどヴァリエーションに富んだ展開も皆無。中島の個人技に多くを頼る戦術だけでは、なかなか浦和へ波状攻撃はかけられない。そして、攻撃で攻め切れないツケがその倍となって急造ディフェンスに襲いかかり、またしても90分間耐え切れずに同じ結果を招いてしまったとしては、課題を修正出来ていないと言われても致し方がない。

 ただ、考え方を変えれば、どの試合も先制は出来ている。つまり、思っている以上に浦和に圧倒されている訳ではないということだ。短い時間で立て続けに失点を喫しているため、実力差が顕著になっているような印象だが、どちらかというと自らが崩れてしまって畳み掛けられる展開が多いだけで、得点機は生み出せている。問題はゴールへの執念をいっそう高められるかということで、ゴールが見えたらシュートを撃って終わる、素早いボール回しで相手を動かし続けるということを連続して仕掛けられるかということがカギとなってくるはずだ。

 アウェイゴール2得点を奪われたFC東京は、2ndレグは最低でも2得点差、2-0や3-1以上でないと決勝へは進めない。得点を積み重ねていかなければダメというある意味シンプルな状況をポジティヴに考えて、90分間ゴールを奪い続けるサッカーで意地を見せたいところだ。

◇◇◇
 
【YBCルヴァンカップ 準決勝第1戦】
2016年10月05日/味の素スタジアム/19:34キックオフ
観衆:13,354人
天候:曇のち雨、中風
気温:25.0度/湿度:80%
主審:家本政明/副審:八木あかね、中野卓/4審:中井恒/追加副審:村上伸次、福島孝一郎

 FC東京 1(0-0、1-2)2 浦 和

得点:
(東):東慶悟(49分)
(浦):高木俊幸(77分)、武藤雄樹(80分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
04 DF 高橋秀人
29 DF 吉本一謙
25 DF 小川諒也
27 MF 田邉草民
37 MF 橋本拳人
22 MF 羽生直剛 → 河野広貴(68分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉 → ネイサン・バーンズ(82分)
20 FW 前田遼一 → 平山相太(80分)

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
10 MF 梶山陽平
17 MF 河野広貴
34 MF 野澤英之
48 MF 水沼宏太
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ 

≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【YBCルヴァンカップ】

≪準々決勝≫
第1戦 2016/08/31(水)19:30△FC東京 1-1 福 岡(H・味スタ)
第2節 2016/09/04(日)19:00〇FC東京 2-0 福 岡(A・レベスタ)

≪準決勝≫
第1戦 2016/10/05(水)19:30×FC東京 1-2 浦 和(H・味スタ)
第2節 2016/10/09(日)14:00 FC東京×浦 和(A・埼 玉)

≪決 勝≫
第1戦 2016/10/15(土)13:05 未 定×未 定(埼 玉)





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INCOGNITO@BLUENOTE TOKYO

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 多国籍音楽ユニオンと体感する享楽のダンス・パーティ。

 ジャン=ポール“ブルーイ”モーニックが率いる結成37年のヴェテラン・ジャズ・ファンク・ユニット、インコグニート。2016年6月にリリースされた17作目のアルバム『イン・サーチ・オブ・ベター・デイズ』を引っ提げてのツアー〈“イン・サーチ・オブ・ベター・デイズ”ツアー 2016〉の一環として、恒例のブルーノート東京公演を開催。所狭しと陣取るメンバーとともに常にファンキーなライヴを提供する彼らのステージに今回も足を運んだ。

 このツアーで大きな変化があったのは、“ファンキー・ジューダス・キーボード・オブ・ザ・ユニヴァース”(宇宙で一番ファンキーなユダヤ人キーボード奏者)ことマット・クーパーが不在だったことだろう。彼のマジカルでミラクルな鍵盤捌きが見られないのはかなりショッキングなことではあるが、替わって帯同したのがトム・オグレイディ。マット・クーパーほど派手に耳目を引くことはないが、そこはやはりブルーイがしっかりと目利きをして選んだ人材だけあって、リズミカルながらも周りの音を削がない(大所帯ユニットにおいて、音同士がぶつからないことは相当重要だと思う)視野の広そうな演奏で、不安要素も抱かせなかった。

 新規メンバーはトロンボーンのスタッフォード・ハンター(アメリカ)もそう。エルトン・ジョンやディオンヌ・ワーウィックと共演経験があり、デューク・エリントン・オーケストラの現メンバーとして活躍するハンターだが、トランペットのシド・ゴウルド(スコットランド)、サックスのアンディ・ロス(アイルランド)のUK周辺の上背のある二人に比べるとやや小ぶりな背丈ながらも、潔くスライドを伸ばして高低幅広い音を鳴らす姿に違和感はなし。
 また、ブルーイだけでなく中央にフランシスコ・サレス(ポルトガル)を据えてテクニカルなギター・サウンドを厚くするなど、さらに進化と成長を試みる姿勢も。

 ヴォーカリストではデボラ・ボンド(アメリカ)も初来日。男性ヴォーカルはトニー・モムレルが再び不在ということで、マイケル・ジャクソン、ルーサー・ヴァンドロス、ドナ・サマーらとのセッション経験を持つクリス・バリン(ジャマイカ)が加わり、そしてメイン・ヴォーカルにはエネルギッシュなハイトーンを駆使するヴァネッサ・ヘインズ(トリニダード・トバゴ)という3名体制。ヴァネッサは「コリブリ」でのスキャットはもちろんのこと、新作アルバムからの「ジャスト・セイ・ナッシング」でもこれまではあまり見せなかった“タメ”やフェイクで、ヴォーカリストとしての才が窺える威風堂々としたパフォーマンスで魅了。メイサをはじめ歴代のインコグニート・メイン・ヴォーカルのなかでも圧倒的なパッション漲るヴォーカル・スタイルが備わってきたのではないだろうか。



 インスト曲「エコーズ・オブ・ユートピア」を終えると、クリスが「レイバー・オブ・ラヴ」、ヴァネッサが「トーキン・ラウド」、デボラが「アイ・シー・ザ・サン」でそれぞれリード・ヴォーカルを執り、三者三様のヴォーカル・ワークで楽しませてくれる。ややくぐもったソウルフルなクリスのヴォーカルはヴェテラン・シンガーならではの旨味成分が凝縮され、大人のダンディズムを感じさせる一方、デボラは表情豊かにオーディエンスを煽るフレンドシップに満ちたスタイルで耳を惹きつけていく。
 そのデボラは「ディープ・ウォーターズ」でもメイン・ヴォーカルを執ったのだが、そこでマイケル・ジャクソン「ザ・レディ・イン・マイ・ライフ」の一節などをサラッと仕込んだフェイクを披露。おそらく、先日(10月5日)死去したことが発表されたロッド・テンパートンを意識したものか。ロッド・テンパートンは「ブギー・ナイト」などで知られるヒートウェイヴのキーボード奏者で、クインシー・ジョーンズに手腕を買われて、クインシーはもちろん、マイケル(「ロック・ウィズ・ユー」「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」「ベイビー・ビー・マイン」「ザ・レディ・イン・マイ・ライフ」ほか)、ルーファス(チャカ・カーン)、ジョージ・ベンソン、パティ・オースティン、ドナ・サマー、アレサ・フランクリン、アニタ・ベイカー、マライア・キャリーなどに楽曲提供した人物で、その影響はブルーイも受けていたはず。バンドが「ロック・ウィズ・ユー」を1フレーズ演奏する場面もあったが、それも追悼の意を込めてのものだろう。

 人気曲、代表曲を中心とした定番セットリストが主になるのは致し方ないところもあるが、メンバーが流動的となっても高次元で安定した演奏を繰り広げるのは、ブルーイの統率力とバンド・メンバーの高いスキルとそれらの融合性が高いことに尽きる。スキルの高さはメンバーそれぞれのソロ・パートにおけるパフォーマンスが証明しており、特に中盤から終盤にかけて、フランシス・ヒルトン(ジャマイカ)のベースソロを終えた後に展開されるフランチェスコ・メンドリア(イタリア)とジョアン・カエタノ(マカオ)の二人によるドラム&パーカッションのセンセーショナルな競演は目玉の一つ。カンカンと甲高い音をハイスピードで打ち鳴らすビートの連続波にはオーディエンスも大興奮。そのようなアピール・セクションを配しながらも、バンドとしては何かが飛びぬけて強調されるような音鳴りはさせず、あくまでもバンドがしなやかに調和して心地良いグルーヴを構築していくことを第一義とするところが、この大所帯ヴェテラン・バンドが今もなお現役として新鮮な作品を発しながら多くから評価されているゆえんといえる。

 終盤はブルーイが「トーキョーはいつも素晴らしい、だけど一つ問題がある。みんな座ってるじゃない?(笑)さあ、ダンス・パーティの準備は出来てる? ノッテルカイ!」と観客を煽っての総立ちでのダンス・パーティへ。「アズ」「ドント・ユー・ウォーリー・アバウト・ア・シング」(邦題:「くよくよするなよ」)のスティーヴィー・ワンダー・カヴァーを続けての大団円へ。軽快なギター・カッティングが先導し、各メンバーが奏でる音が集って大きな幹となるインコグニート・サウンド。その一体感と音楽への情熱は、年数を重ねるたびに深い年輪を刻むように成熟し、心身を揺るがす大きなうねりを生み出していった。

 1stステージということもあり、アンコールなしの70分強とやや短い感じもしたが、そのパフォーマンスに“希釈”はなし。グルーヴ果汁100%のファンキーなヴァイブスで、今年もまた東京の街をハッピーに彩ってくれた。


◇◇◇

<SET LIST>
01 Echoes of Utopia (*)
02 Labour of Love
03 Talkin' Loud
04 I See The Sun
05 Living Against The River
06 Just Say Nothing (*)
07 Deep Waters
08 Still A Friend of Mine
09 Colibri
10 Bass SOLO~Drums & Percussions SOLOS SECTION
11 As Long As It's You
12 As(Original by Stevie Wonder)
13 Don't You Worry 'bout A Thing(Original by Stevie Wonder)
14 One Love(BGM & Stage Out)

※ (*): song from album『In Search Of Better Days』

<MEMBER>
Jean-Paul"Bluey" Maunick(g)

Chris Ballin(vo)
Vanessa Haynes(vo)
Deborah Bond(vo)
Tom O'Grady(key)
Francis Hylton(b)
Francesco Mendolia(ds)
Joao Caetano(perc)
Sid Gauld(tp)
Andy Ross(sax)
Stafford Hunter(tb)
Francisco Sales(g)



◇◇◇



















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浦和×FC東京@埼スタ【YBCルヴァンカップ】

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 今季、浦和に4敗目を喫して、ルヴァンカップ終了。

 第1戦、ホームの味の素スタジアムで1-2と逆転負けを喫したFC東京。浦和にアウェイゴール2得点を与えたため、第2戦では最低2得点以上が必要となった試合。開き直って攻め続けるしかないというシンプルなスタンスだったが、蓋を開けてみれば今度は先制すら出来ずに前半のうちに2失点を食らう体たらく。後半の中盤以降は多くの選手の足が止まり、心身共に疲弊しての惨めな敗戦となった。

 両チームとも日本代表の選手を送っているが、森重、丸山とチーム要のCB二人を代表に抜かれたFC東京と西川、槇野、柏木と抜かれても選手層が厚い浦和とではチームに与えるダメージの差が小さくなかったというのは、あるといったらある。しかしながら、圧倒的な実力差で全く歯が立たないというほどではなかった。細かいところを突けばさまざまあるが、大まかにまとめて言えば、普段通り出来ることを遂行した浦和とそれが出来なかったFC東京の差がそのまま得点数の差に出てしまったのだと思う。

 前からプレッシャーを掛けて得点を積み重ねていかなければならないFC東京だったが、中盤から最終ラインの押し上げが遅く、それゆえボランチ前後にスペースを与えてしまってばかりでは、前へ繋ごうにも繋げない。特に、田邉、梶山の両ボランチが素早く前を向いてボールを供給することがなく、ほとんど一度最終ラインへはたいてしまうため、ボールを前線へ動かす速度が遅く、相手陣内へ押し込む道筋を自ら消してしまっている状態。ボックス付近へ運んでいったとしても、パスを繋ぐだけでシュートアクションまでに時間が掛かり、相手陣内へ重心を移した矢先にボールロストして反撃を食らうことの繰り返しで、シュートを撃てずに消化不良、シュートで終わらずボールを奪われてカウンター対応に追われて疲弊するという悪循環に陥ったまま、あっという間に失点を重ねていった。

 ただ、浦和に穴がない訳ではなかった。前線からのプレッシャーと中盤以降が連動しボールの出しどころを抑えられれば、元来両端に広くポジションをとり前線に5人並ぶような形になる特殊な浦和の陣形は、守勢に回れば人数が足らなくなる。そこを突き、厚みを持った前線との距離を拡げられれば、浦和の攻撃も停滞していき、その陣形を崩させることも可能となる。リーグ戦でのアウェイ戦、ムリキ、バーンズが躍動した試合の前半はまさにそのような形で浦和から早々に2得点を奪って見せた。

 だが、実際はほぼノープレッシャーの中で巧みにサイドチェンジを使われ、中央ばかりに人数を掛けて守ろうとするFC東京を嘲笑うかのようにサイドのフリーの選手へボールが渡ると、そのボールを追うことで手一杯になり、マークもずれて、ゴール前へ次々と斜めから走り込んでくる浦和攻撃陣の重圧に耐えしのぐことが出来ないまま、時間が過ぎていくばかり。いくら個の実力があるとはいっても、ロングフィードの出し手と受け手に人を寄せられずフリーな状態という余裕があれば、長い距離だとしても精度の高いキックやパスをすることはそれほど難しいことではない。

 それに引き換えFC東京は、狭い地域での細かなパス交換やドリブル突破で打開しようと試みるものの、始動が遅く、球離れも悪いために相手の寄せの圧力に屈し、焦りを生んで正確性の低いパスによるパスミスや背後から迫った相手からボールを奪われるなどを繰り返し、チャンスの芽を自ら摘んでしまう。終盤80分頃からようやく浦和最終ラインの左右前後に出来たスペースへ走り込む展開が生まれると、その流れの中で中島翔哉が1点を返すが、そこまで。ナビスコカップからルヴァンカップと名を変えてのカップ戦の最初の王者を決めるステージへの切符を、興梠のハットトリックという願ってもない勢いをつけてFC東京は送り出してしまった。

 普段通りのプレーをするための土台を築きながら共通認識の下でビルドアップしていく浦和と、窮屈なプレイへと自らが追い込んでしまい、ギャンブル性の高いプレーを選択せざるを得ずにミスを多発させた東京。その差が本来の実力差以上のパフォーマンスや結果へと結びついてしまったといえる。常にボールを相手ゴールへと推し進める強度を高めなければならないということ、そして常に逡巡せずにシュートを撃つということが結局はゴールや勝利に近づくんだということを、いま一度叩き込まねばならない。

 普段通り、という意味では、采配からそれは露呈していた。本職CB二人を代表で、DFにおいてはユーティリティに起用できる徳永を怪我で欠いてはいたが、これまでSBに配されたことはあるにせよ、東京での試合でCBを経験していない橋本を不利な状態からスタートする第2戦にスタメン起用させるのは大いに疑問が残る。もちろん采配には"相手の裏をかく”秘策も有効手段となりうるが、その一見秘策や奇策と取れる作戦の成功例は、実はしっかりとした裏打ちがあってのものがほとんど。チームの選手層事情があるにせよ、要となるポジションにおいてのギャンブル性は果たして必要だったか、首を傾げるばかりだ。

 首を傾げるということについてはもう一点。試合終了後、ゴール裏は「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」のチャントと拍手で選手を迎えたが、個人的には賛同しかねる。リーグ、カップ戦の違いはあれど、1年に同じ相手に4度も(しかも同じような内容で)負けたチーム・選手に、その場面で健闘の歌と拍手は果たして必要だっただろうか。やみくもにブーイングをすればいいとは思わないが、少なくともプロのサッカー選手たちだ。そのプロフェッショナルの気概を見せられずに終わったならば、叱咤することがあってもいいと思う。口では重要な試合で思うような結果が出せずに申し訳ないと言っても、その悔しさが本当の意味で身に染みているのかどうか。高い壁を乗り越えるためならなおのこと。今季はブーイングも致し方ないと感じた場面でも“ユルネヴァ”で励ますことが多かった気がする。それがすなわち結果となって表われる訳ではないが、頂点を常に目指すのであれば、慰めるばかりではここぞという場面での反骨精神を得られない。

 この敗戦はルヴァンカップだけでなく、このままだと次回以降の浦和戦へも大きく影響を与えかねないほどのものだと思うが、良かったことにも言及しておく。SBを担った小川、室屋の若手は(特に小川は駒井にエリア内でファールを犯してPKを与えてしまったりと)納得のパフォーマンスを出せたとは言い難いが、今後のスキルアップのための糧としてはいい経験が出来たはずだ。そして、最後まで仕掛けた中島翔哉やネイサン・バーンズの姿勢があったからこそ(焼け石に水ではあったが)、アウェイで得点を奪うことも出来た。

 ちなみに、今季現時点において、リーグ戦で浦和からホーム、アウェイどちらも得点を挙げたのは鹿島、神戸とFC東京の3チームのみ。カップ戦(ルヴァンカップ)も含めると、勝敗は別にして必ず浦和から得点を挙げているのはFC東京ただ1チームである。失点が多く敗れてはいるが、毎試合得点を奪えている。そこに今後において継続すべき課題と勝利へのヒントが隠されているはずだ。

 FC東京の次の試合はリーグ2ndステージ第15節、こちらも苦手としている鹿島が相手となるが、この悔しさを結果という形で払拭すべく準備して欲しい。
 それと、個人的には、GK秋元とDF陣との連係がもう一つ噛み合っていないので、一度ヴェテランの榎本を起用して、試合の中での経験や見方を得る機会を作ってもらいたい。

◇◇◇
 
【YBCルヴァンカップ 準決勝第2戦】
2016年10月09日/埼玉スタジアム2002/14:04キックオフ
観衆:26,876人
天候:曇、無風
気温:23.6度/湿度:54%
主審:西村雄一/副審:宮島一代、西尾英朗/4審:平間亮/追加副審:飯田淳平、上田益也

 浦 和 3(2-0、1-1)1 FC東京

得点:
(浦):興梠慎三(24分)、興梠慎三(38分)、興梠慎三(53分、PK)
(東):中島翔哉(81分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
29 DF 吉本一謙 → 高橋秀人(60分)
37 DF 橋本拳人
25 DF 小川諒也
10 MF 梶山陽平
27 MF 田邉草民 → ネイサン・バーンズ(46分)
17 MF 河野広貴 → 水沼宏太(70分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉
09 FW 平山相太

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
32 MF ユ・インス
48 MF 水沼宏太
16 FW ネイサン・バーンズ 
20 FW 前田遼一

≪マネージャー≫
篠田善之

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【YBCルヴァンカップ】

≪準々決勝≫
第1戦 2016/08/31(水)19:30△FC東京 1-1 福 岡(H・味スタ)
第2節 2016/09/04(日)19:00〇FC東京 2-0 福 岡(A・レベスタ)

≪準決勝≫
第1戦 2016/10/05(水)19:30×FC東京 1-2 浦 和(H・味スタ)
第2節 2016/10/09(日)14:00×FC東京 1-3 浦 和(A・埼 玉)

≪決 勝≫
第1戦 2016/10/15(土)13:05 G大阪×浦 和(埼 玉)





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巨人×横浜@東京ドーム【CS 1st】第3戦

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 広島への挑戦権はラミレス監督率いるベイスターズが獲得。

 ともに1勝1敗で第3戦を迎えた、巨人と横浜DeNAベイスターズによるクライマックスシリーズファーストステージ。初めてCSに進出した横浜が対戦成績を2勝1敗として、12日からマツダスタジアムで行なわれるCSファイナルステージへの進出を決めて、日本シリーズ進出をかけて広島と対戦する。

 相変わらず貧打で苦しむ巨人だったが、それでも2本のホームランで追いつき延長へ持ち込んだ。引き分け以上でファイナルステージへ進める有利な立場だったが、マシソンが三者三振に抑えて迎えた9回裏、先頭の村田が内野安打で出塁してサヨナラ勝ちへのシチュエーションへ近づき始めていたが、村田の代走の鈴木が牽制死で好機を潰してしまう。11回表の横浜の攻撃では、倉本の強烈な当たりが直撃した澤村に代わって田原がマウンドに上がるが、エリアンが送りバントを決めた後の初球を途中出場の嶺井にレフト線へ痛打され失点。今季11試合しか出場していない伏兵だったが、小林は外目の変化球を要求したのだろうが、この場面ではバッテリーとしてあまりにも不用意な入り方だったのが悔やまれる。
 さらに、3-4と勝ち越された11回裏、坂本がレフト前ヒットで出塁するも、続く橋本到が送りバントを試みるもファウルフライに倒れて同点へのムードに水を差す格好に。初のCSへ進出した横浜とCSにある意味慣れ切ってしまっている巨人との勝利への執念の差といえばそれまでだが、巨人は直前の菅野の離脱などチーム状態が芳しくなく、全般的に活気がないままでシーズンを終えることとなった。

 一方、CSファイナルステージ進出へ沸く横浜だが、こちらも勢いこそあれど、している野球の質はそれほど高くない。巨人とのCSファーストステージは巨人のほぼ自滅のような形で勝ち抜けることが出来たが、結局のところシーズンも貧打の巨人に競り負けての3位で終え、このファーストステージでも“勢い”ほどスカッと勝ててはいない。ロペスや筒香の一発は魅力だが、それ以外は調子の波が激しく、あまり怖さを感じないのも事実。
 采配についても懸念はある。この日は殊勲打を放った嶺井が当初登場してきた8回表、ラミレス監督は2アウト2塁で石川に代打の後藤を送ったが、敬遠気味の四球で歩かされると、続く捕手・戸柱に代わって嶺井を代打に指名。だが、嶺井は山口の内角ストレートに詰まったセカンドフライに倒れている。この時点では、この回を含め9回まで2回の攻撃しか残されていなかったこともあるだろうが、1塁が空いている場面で代打の切り札を先に使ってしまっては、歩かされるのは当然。延長も見据えた代打のカードを有効に使うならば、嶺井を先に代打として出すべきだっただろう。
 また、抑えの山崎康だが、ツーシームの連投ばかりで、長打を打たれる不安を大きく孕んでいるように思えた。戸柱とは異なる嶺井のリードならではなのかもしれないが、ツーシームはそのボール単独で活きる球種というよりは、ストレートはじめ他の球種に組み込むことで効果を発揮する。スライダー同様、手元の狂いが長打に繋がる諸刃の剣でもある。最後、阿部をライトフライへ打ち取った場面も、あとボールの数ミリ上を叩いていたら、ライトスタンドへ運ばれて巨人がサヨナラでファイナルステージへ進出していたかもしれない。

 たしかに、勢いはある。ただ、その勢いが止められ、我慢する時間が続いた時やその打開策の質量を考えると、広島に勝つのはなかなか難しいかもしれない。

 巨人は投手陣の再構築が急務。また、小林以外の(それにとって代わるでもいい)捕手を育てることも重要だ。小林は今季ミスリードで失点の流れを作った場面も多かったゆえ、シーズンオフにしっかりと復習して来季へ臨んでもらいたい。

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□2016/10/10(月) 第3回戦
 東京ドーム 試合開始14:00 終了18:21 試合時間4時間21分
 球審:森/一塁:秋村、二塁:原、三塁:柳田/左外:嶋田、右外:山本貴
 観衆:45477人

横 浜 210 000 000 01 4
巨 人 200 001 000 00 3

【バッテリー】
(横)石田、砂田、三上、田中、山崎康-戸柱、嶺井
(巨)内海、大竹寛、山口、マシソン、澤村、田原誠、戸根-小林誠
【勝】(横)田中(1勝0敗0S)
【S】(横)山崎康(0勝0敗2S)
【敗】(巨)澤村(0勝1敗0S)
【本塁打】
(横)ロペス2号(1回表2ラン)
(巨)阿部1号(1回表2ラン)
(巨)村田1号(6回裏ソロ)

【戦評】
横浜が延長11回、4時間21分の熱戦を制して、CSファイナルステージ進出を決定。横浜は巨人先発・内海の立ち上がりを攻めてロペスの2ランで先制。その裏に巨人は阿部の2ランで追いつくも、2回表1アウト2、3塁から関根の犠飛で勝ち越し。その後、6回裏に巨人が村田のソロ本塁打で同点。一進一退の展開で延長へ突入すると、11回表1アウト2塁から嶺井がレフトへ勝ち越しタイムリーを放って三度リードを奪うと、その裏の2アウト1、2塁、一打同点の場面で阿部をライトフライに打ち取り試合終了。巨人は再三のチャンスも勝ち越し点が奪えずに、ファイナルステージ進出を5年ぶりに逃した。

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Especia@六本木VARIT

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 思春期を経て、少女から大人へ華麗な変身を遂げる途中の1ステップ。

 この8月よりスタートした朝食と共に過ごすガールズ・グループ“Especia”のモーニング・ライヴ・シリーズ〈Hotel Estrella〉も第3弾。8月はCHELSEA HOTELでの〈Hotel Estrella -2FLB-〉、9月はO-nestでの〈円山閣大飯店〉と渋谷を舞台に行なわれてきた“朝ペシア”だが、3回目は会場を六本木のVARITに移しての開催。100~150人収容とキャパシティとしては前回よりもこじんまりとした感じだが、日曜の朝の開演ということもあり、現段階では集客面においても妥当なところなのかもしれない。中華粥、卵スープ、肉入り胡麻団子、空芯菜と季節のキノコ炒めなど今回も前回の〈円山閣大飯店〉同様に中華風ビュッフェを舌鼓を打ちながら、開演時刻に近づくにつれ活気づくフロア。中華風BGMがフェードアウトするなか暗転し、BGMに覆いかぶさるように「Helix」のイントロが聴こえてくると、Especiaの3名が登場。幻想な雰囲気を漂わせるにはイントロだけでも十分な「Helix」で〈Hotel Estrella〉第3弾はスタートした。

 もしかしたら、この日に集った観客は、新生Especia〈Especia the Second〉のターニングポイントの一つを体感したことになるのかもしれない。冒頭の「Helix」からリード・ヴォーカルの冨永悠香の調子がやや優れないのかと感じた観客は少なくないと思うが、続く「嘘つきなアネラ」の途中で冨永の瞳にみるみるうちに涙が溢れ、とうとう歌えなくなってしまった。拳をギュッと握りしめながら、何とか再び歌おうとするも嗚咽が止まらない。顔を覗き込む森絵莉加も心配そうな表情でその光景を見遣る。ファンも固唾を飲んで見守るしか出来ない凝視と緊張と不安が伝わる、何とも言えない空気がフロア一帯を支配していた。
 その後、気を取り直して「センシュアルゲーム」以降を歌った冨永だが、ドリーミーな感覚とクラップが軽快に弾ける「シークレット・ジャイヴ」を演じる頃には調子を取り戻し、表情にも明るさが戻る。フロアのファンも安堵してか、彼女らへの声援や掛け声が曲が終わるごとに大きくなっていったように思う。

 涙の理由は何だったのか、その答えは当人しか分からない。全ては憶測となってしまうが、新生Especiaをスタートさせたものの、依然と比較して決して順風満帆とは言えないなか、リード・ヴォーカルとして懸命に努めているはずだが、このステージの冒頭での不調が本人にとって非常に悔しかったのではないかというのが一つ。2月末をもって5名から3名が卒業するなかで、「Especiaが続く限り、私は辞めない」と真っすぐ前を見据えながら宣言したその責任感は、これまで以上に彼女の肩に伸し掛かっていると思う。5名時代には年上のメンバーもいて、他4名がさまざまな角度からフォローしてくれもしたが、〈Especia the Second〉では最年長でリード・ヴォーカルを担う。自身の不調が大きくグループの評価を一変させてしまうことも、彼女は重々承知だろう。日曜の朝という集客には厳しい環境ではあるが、かつてより客入りが芳しくないことも眼前に突き付けられている。その不甲斐なさと懸命に努めようとするも結果が比例しないジレンマに苛まれた複雑な心情が募って、「嘘つきなアネラ」での涙に繋がったのかもしれない。
 また、以前のようにSNSやブログなどでの発信が出来ない状況も、もどかしさを増幅させていたのだろうか。さまざまなメッセージを発信しながら不安や葛藤を表現出来たものが、現在はその形を持ち得ていない。自身が思うことや理解して欲しいことが思い通りに伝わらないというモヤモヤした感情も、こちらが考えている以上に彼女の脳裏には渦巻いていたのかもしれない。 
 しかしながら、彼女たちはプロのグループ。苦心や苦境は誰しもがに付き纏う。その状況を打破しようとしてこそ、成長という花や実に繋がってくるのだと思う。

 その意味で言えば、この日のステージは涙という痛みを伴いながらも大きく成長の一歩を示したステージへと瞬時に変貌した、といえるかもしれない。これまでは少女だったグループも、痛みや歯痒さを経験して外世界の空気に触れ、大人へと成長していく。そんな一瞬だ。



 振り返れば、6名から5名へと編成が変わってのツアー・ファイナル、2014年12月のO-EAST公演でメジャー・デビューを発表したEspeciaが、翌2015年1月のメジャー・デビュー前に出演した代官山LOOPでの企画イヴェント〈
Mixed Up〉(その記事はこちら→「Mixed Up@代官山LOOP」)で、フロアにこれまでにないケミストリーをもたらしていた。「5名のEspeciaでもいける!」と実感したゆえに、そこへ集ったぺシスト(Especiaのファン)たちのヴォルテージも長く沸点を続けたままであったと記憶している。
 それと同じような光景がこの日のステージに起こった、といったら言い過ぎになるだろうか。

 3名がトライポッドよろしく三角を成して向かい合い(動かない“少年隊「君だけに」風”といったら古いだろうか)、ア・カペラで「雨のパーラー」を1フレーズ披露したやおら、初披露となる「Fader」へ。これまでほとんど単独ヴォーカルを執らなかったミア・ナシメントが冒頭からセンチメンタルなメロディのメイン・ヴォーカルを披露すると、会場の空気がガラリ一変。加えて、森がラップ・パートをソロで続くと、観客もこれに大きく呼応。コーラスへ徹しながらも冨永のメイン・パートで口ずさむ姿も少なくなかった森は、5名時代は3名のメイン・ヴォーカルのなかでもグループ一番の成長株として歌うことの楽しさを覚え始めていたはずで、本音を言えば、小休止後のコーラスという立ち位置には揺れ動くものがあったに違いない。おそらく、森のソロ・パートも聴きたいという声も届いていたはずだ。グループとしての成熟を優先し、自身に言い聞かせるようにコーラスを務めてきた彼女も、フロアの興奮の波に押されてか、ステージの最前へ踏み出して少しばかりクールに気取ったフロウを決めると、冨永、森、ミア三者の表情が自然と紅潮し、エネルギッシュなパフォーマンスへと突入。これまでの“朝ペシア”シリーズでは生まれなかったうねりがフロアを満たすと、後半の「Sweet Tactics」「Mistake」「FOOLISH」という前回と同様の展開も全く異なるものに聴こえてくるから不思議だ。

 前回の〈円山閣大飯店〉での記事で、「まだ新生となって月日は短いこともあるが、賞味の足は早いのも事実。3人でハーモニーを重ねる場面が増え、森絵莉加も今後はリードを執る楽曲が出てくるだろうし、それが〈Especia the Second〉のブースターとなり得る可能性も高い」と書いたのだが、前述の冨永の“涙”と「雨のパーラー」からの「Fader」への流れは、この時点ではブースターとまでは言い切れないとはいえ、新生Especiaの次なるフェーズへの導火線となるに十分な瞬間だった。

 現時点では、依然として〈Especia the Second〉以降の新たな楽曲はEP「Mirage」収録曲しかなく、ステージでは過去曲やそのリミックス・ヴァージョンなどを含めての構成となっている。だが、これから新たな楽曲が投下されていくにつれ、もちろんヴォーカルのヴァリエーションも増えてくることだろう。さすれば、それがさらなる次のフェーズへの火付け役となり、ブースター発動となる可能性も十分考えられる。ヒジャブを纏ったミステリアスな姿で登場した3名がそのヴェールを徐々に脱ぎ始め、グループが向かおうとする先の全貌が明らかになる時が近づいてきているのかもしれない。ますます目が離せなくなったと言っていい。



◇◇◇

<SET LIST>
00 INTRODUCTION
01 Helix
02 嘘つきなアネラ
03 センシュアルゲーム
04 シークレット・ジャイヴ
05 海辺のサティ 2016
06 雨のパーラー(a cappella)
07 Fader
08 Sweet Tactics
09 Mistake
10 FOOLISH(12" Vinyl Edit)
11 Savior
≪ENCORE≫
12 Aviator(Alternate Version)
13 Sunshower

<MEMBER>
Especia are:
Haruka Tominaga(vo)
Erika Mori(vo)
Mia Nascimento(vo)



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【〈Especia the Second〉(新体制)以降の記事】

・2016/06/25 ESPECIA@渋谷Club asia
・2016/08/12 Especia「Mirage」
・2016/08/28 Especia@渋谷CHELSEA HOTEL
・2016/09/11 Especia@O-nest

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千葉×松本@フクアリ

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 好対照なチーム状況が伝わった一戦。

 2位でJ1自動昇格圏内にいる好調の松本をフクアリに迎えての10位の千葉の試合だったが、前節で一部ゴール裏サポーターと選手とのいざこざがありチーム状態含めて不安定さが拭えない千葉にとっては、プレーオフ出場圏内6位も遠く霞むような情けない試合となってしまったのは残念だった。

 当初はホームの千葉が主導権を握りかけて、ハイプレッシャーからチャンスを掴みかけていたが、なかなかシュートには持ち込めぬまま時間が経過すると、素早く前線へボールを送りながらカウンターとセットプレーで攻撃の起点を作ろうとしていた松本へ徐々に流れが傾き、38分に宮阪のフリーキックから後藤が頭で落としたボールを工藤が蹴り込み先制。それから5分も経たぬうちに千葉の若狭がエリア内にて2枚目の警告で退場となり、松本がPKを獲得。これを高崎がしっかり決めて、前半であっという間に2点差がついてしまった。

 人数を一人欠くなかで反撃に出たい千葉だったが、数的優位の相手に攻勢を掛けるのは難しく、逆に宮阪からゴール前の混戦から飯田が頭で決めて、54分で早くも松本が3得点目を獲得。試合を決定づけてしまった。結局、そのままスコアは動かずに松本が3対0で千葉に勝利し、これにより松本のJ1昇格プレーオフ進出(6位以内)が確定。もちろん、松本は2位以内の自動昇格枠を狙うことになる。
 一方の千葉は、6位の京都との勝点差が14と開き、今季もJ1昇格はほぼ絶望となった。

 松本はこのままでJ1に通用するかというと疑問が残るサッカーだったが、それ以上に千葉の一体感や意思疎通のなさが目立ってしまったようだ。

 ちなみに、以前松本に所属していた現千葉の選手に船山貴之、多々良敦斗、吉田眞紀人が、以前千葉に所属していた松本の選手に工藤浩平がいて、個人的にはどちらの選手がどちらのチームだが一瞬こんがらがったりもしてしまったのはここだけの話。

◇◇◇

【J2リーグ 第36節】
2016年10月16日/フクダ電子アリーナ/16:00キックオフ
観衆:12,732人
天候:晴
気温:22.1度 湿度:36%
主審:池内明彦/副審:佐藤貴之、藤沢達也/4審:塚越由貴

 千 葉 0(0-2、0-1)3 松 本

得点:
(千):
(松):工藤浩平(38分)、高崎寛之(43分、PK)、飯田真輝(54分)


〈千 葉〉
≪スターティングラインアップ≫
GK 23 佐藤優也
DF 33 丹羽竜平
DF 20 若狭大志
DF 03 近藤直也
DF 27 阿部翔平 → 北爪健吾(77分)
MF 08 井出遥也 → 岡野洵(44分)
MF 22 アランダ
MF 10 長澤和輝
MF 14 町田也真人 → 吉田眞紀人(83分)
FW 09 エウトン
FW 11 船山貴之

≪サブスティテューション≫
GK 01 岡本昌弘
DF 26 岡野洵
DF 04 北爪健吾
DF 05 多々良敦斗
MF 15 富澤清太郎
MF 06 山本真希
FW 18 吉田眞紀人

≪マネージャー≫
長谷部茂利

〈松 本〉
≪スターティングラインアップ≫
GK 01 シュミット・ダニエル
DF 13 後藤圭太
DF 04 飯田真輝
DF 05 岩間雄大
MF 11 喜山康平
MF 15 宮阪政樹
MF 03 田中隼磨
MF 24 那須川将大
MF 20 石原崇兆 → 山本大貴(70分)
FW 29 高崎寛之 → 三島康平(76分)
FW 23 工藤浩平 → 前田大然(87分)

≪サブスティテューション≫
GK 25 白井裕人
DF 33 安川有
MF 07 武井択也
FW 19 山本大貴
FW 38 前田大然
FW 39 三島康平
FW 41 柳下大樹

≪マネージャー≫
反町康治

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宇多田ヒカル『Fantome』

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 「しばらくは派手なアーティスト活動を止めて“人間活動”に専念したい」と宣言してから早6年。フランス語で“幻”や“気配”を意味する言葉を冠した自身6枚目は、2008年の『HEART STATION』以来約8年ぶりに放たれるフル・アルバム。待ち侘びたファンも多く、国内のチャートはもちろん、全米iTunesチャートでも3位を記録するなど、彼女のカムバック作は高く評価されているようだ。

 ただ、誤解を恐れずに言えば、個人的には非常に落胆してしまったというのが本音。これまでのアルバムのなかでは(Utada名義の『エキソドス』『ディス・イズ・ザ・ワン』を除いて)最もインパクトの薄い印象となってしまった。
 まず、アルバムに先行してNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』主題歌に起用されていた「花束を君に」が耳に入ってきた時に、あまりにも淀みのない純朴過ぎる作風に正直不安が過ぎった。「この曲はタイアップありきだろうから」と問い質す自分もいた。咄嗟に前作『HEART STATION』に(ボーナストラック扱いではなく)童謡風の「ぼくはくま」が収録されていたことに違和感を抱えていた時のを思い出していた。
 次に、すでに映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』テーマ・ソングとして2012年12月にリリースされた「桜流し」が収録されることも分かったが、この手のメランコリックなバラードにはどうも食指が動かない性分もあって、当初過ぎった不安を払拭するどころか増殖させてしまうことにもなった。

 そして、ついに対面した復帰作。冒頭の「道」はリード曲で自身出演のCMソングにも起用されていたが、“消えない星が私の胸に輝き出す”などのフレーズから察するに、おそらく母・藤圭子を意識して作ったと思われる楽曲。宇多田ヒカルも妻、母となり、自身の母である藤圭子をいつも以上に感じたのだろう。心の内に浮かんでは消える葛藤や自問自答を、シリアスなテンションではなくあくまでもポップ・ソングとして描いたのが素晴らしい。
 そう思えたのも束の間、次の「俺の彼女」で一気にトーンダウン。男と女のそれぞれの目線から本当に触れ合うべきものについて語った歌だが、石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」風のやさぐれ具合での歌唱とメロディは古臭いヤンキー歌謡にも思えるほど。

 「花束を君に」に続く椎名林檎を迎えての「二時間だけのバカンス」は、スタンダード・ジャズ・ヴォーカル曲にポップなメロディを上乗せしたような宇多田らしい楽曲なのだが、どうも椎名林檎との相性が良くない。宇多田自身が詞曲を手掛けているが、椎名の個性も強すぎて、宇多田のパートと椎名のパートが綱を弾き合っているような“ブレ”を感じて仕方ないのだ。これは椎名が悪いということではなく、それぞれがユニークなオリジナリティを持つ歌い手であることは重々承知だが、如何せんそれぞれの個性が強く、それが仇になったよう。それぞれ単体で食すと大変高級で美味なのに、中和点を考えずにミックスしたら、味の濃さがぶつかり合い美味が相殺されてしまったような……とでもいったらいいだろうか。

 瑞々しい弦が背後で鳴る「人魚」は特にアクがあるわけでもなく、「花束を君に」と同時期に配信リリースされた「真夏の通り雨」はテンポは違えど「誰かの願いが叶うころ」や「Letters」路線の曲風ということで安定感こそあるが、目新しさはなし。また、ストレートでシンプルな表現で注目されるラッパーのKOHHをフィーチャーした「忘却」だが、これはやや食べ飽きた感もある鬱蒼としたムードもそうだが、なよなよと引きずるように綴るKOHHのフロウと神々しさも窺わせる宇多田のファルセットの組み合わせがどうにも受け入れられない。
  
 といったように、ことごとく自分の期待を削いでしまう要素ばかりが目についてしまい、素朴ながらも小躍りするグルーヴを持つ「ともだち」くらいしか一聴して耳につくものがなかった。

 しかしながら、これだけ言っておきながらも誤解して欲しくないのは、このアルバムが駄作であるかといったら、それは断じて違うということだ。元来備えていた表現の才能が人間活動に専念する期間を経たことでいっそう成熟度を高めていて、内面からほとばしる人間の欲求や虚栄心、つまるところ愛への渇望を激しい抑揚を用いずとも描き上げる手腕は見事というしかないし、普通ならダサく聴こえてしまって音に寄せて言葉を選びがちな日常で使う何気ない言葉も、彼女が持つ独特の譜割り感覚でサラッと乗り切ってしまう術がさらなる向上を果たしている。心身共に芳しく熟して、表現方法にさらなる潤いをもたらしたようでもある。“幻影”といった意味に近しいタイトルながら、しっかりと日常やヒューマニズムを捉えているところも彼女らしい。そして、奇を衒うのではなく、しっかりとポップスとしての瑞々しさを満たすような作りに徹しているところは、甘美な果汁が凝縮された豊かな果実といっていい。



 では、なぜこのアルバムに落胆したのか。それはおそらく、自分が彼女にR&Bなどの黒い要素を包含し継承してくれる数少ないシンガーとして見ていたからかもしれない。趣向としてオーセンティックなバラードなどにそれほど心打たれないというのも一つある。といっても、「Movin' on without you」や「traveling」といったタイプのアッパー曲がなければダメなんてこともないが、これまでの宇多田の楽曲のなかで好きな曲を見ていくと、ジャム&ルイス・プロデュースの「Addicted To You」「Wait&See ~リスク~」や“ダークチャイルド”ことロドニー・ジャーキンス・アレンジの「タイム・リミット」あたりを頂点としたグルーヴ溢れる楽曲を好んでいることも大きい。
 さらには、無意識のうちに宇多田ヒカルに求めていた要素が、今作においては思う以上に少なかったことか。シンガーにはそれぞれ特色とそれぞれに求めるもの(求めてしまっているといった方が正しいか)があると思うが、たとえば、ジャパニーズR&Bディーヴァ・ブームにあったほぼ同時期にデビューしたMISIAは、その圧倒的な声量と声圧による歌唱力が随一だし、途中からR&Bやクラブ路線へ推移した安室奈美恵は、ピッチや声量といったものには群を抜くものはないが、自身の歌声を前面に強調するのではなくビートやトラックと一体化しながらどんなテイストの楽曲でも安室色に染め上げてしまうところに最大の魅力がある。
 では、宇多田は何か。ライヴで圧倒させるほどの声圧やヴォーカルパワーはないが、さまざまな音楽的要素や文学的要素を独自の視点で選択するセンス、さらに元の素材が想像出来ないような彩り豊かな装飾で宇多田カラーに染め上げてしまうバランス感覚は見事というほかになく、他の追随を許さないと言っていい。
 その染め上げられたカラーに、これまで有していた“黒い”要素やグルーヴが徐々に希薄になってきていて、今作『Fantome』でもそれを実感してしまったからなのだと思う。

 当初、R&Bを標榜していた女性シンガーは数多くいるが、殆どがことごとく漆黒度を薄めていってしまうなかで、宇多田にはその歯止めを期待していたのかもしれない。前述のMISIAも現在はオーセンティックなポップ・シンガーとなっているし、安室は時流を捉えてダンス/クラブ色へと移行している。もはやジャンル云々ではなく、“宇多田ヒカル”の作品として捉えるべきなのだろう。これまでそういう見方をしてこなかったことこそが“落胆”を生んでしまったのだと。

 彼女の成熟の度合いが高まるにつれて、作品も即効性よりも定着性の強度が上がっている“スルメ”的なアルバムとなっているかもしれない。まだ、自分としては“一聴”したあたりを越えるほど聴いていないこともあり、いましばらく彼女の楽曲に触れていきたいと思う。 



◇◇◇

宇多田ヒカル『Fantôme』(2016/9/28)

01 道
02 俺の彼女
03 花束を君に
04 二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎
05 人魚
06 ともだち with 小袋成彬
07 真夏の通り雨
08 荒野の狼
09 忘却 featuring KOHH
10 人生最高の日
11 桜流し

◇◇◇



















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ドラフト会議2016

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 10月20日、東京都内のホテルでプロ野球のドラフト会議が行なわれ、各12球団の指名選手が決定した。
 最速156kmを誇る創価大の右腕、田中正義投手は5球団競合の末、ソフトバンクが交渉権を獲得。続く外れ1位指名では、桜美林大の佐々木千隼投手が外れ指名では異例の5球団競合となり、交渉権はロッテが獲得した。佐々木は高校時代は都立日野高を西東京大会ベスト8へ導いた立役者。

 その他、明治大の柳はDeNAと中日の2球団が競合し、中日が交渉権を獲得。全体的に投高打低の図式で、1位指名に限ったポジション別では、10球団が投手を、2球団が内野手を指名した形になった。

◇◇◇

【広島】
01位✕田中正義(創価大)投手
01位✕佐々木千隼(桜美林大)投手
01位 加藤拓也(慶大)投手
02位 高橋昂也(花咲徳栄高)投手
03位 床田寛樹(中部学院大)投手
04位 坂倉将吾(日大三高)捕手
05位 アドゥワ誠(松山聖陵高)投手
06位 長井良太(つくば秀英高)投手

【巨人】
01位✕田中正義(創価大)投手
01位✕佐々木千隼(桜美林大)投手
01位 吉川尚輝(中京学院大)内野手
02位 畠世周 (近大)投手
03位 谷岡竜平(東芝)投手
04位 池田駿 (ヤマハ)投手
05位 高田萌生(創志学園高)投手
06位 大江竜聖(二松学舎大付高)投手
07位 リャオ・レンレイ(岡山共生高卒)投手
≪育成≫
01位 高井俊 (新潟アルビレックス)投手
02位 加藤脩平(磐田東高)投手
03位 山川和大(兵庫ブルーサンダース)投手
04位 坂本工宜(関学大準硬式野球部)投手
05位 松原聖弥(明星大)外野手
06位 高山竜太朗(九産大)捕手
07位 堀岡隼人(青森山田高)投手
08位 松澤裕介(香川オリーブガイナーズ)外野手

【DeNA】
01位✕柳裕也 (明大)投手
01位✕佐々木千隼(桜美林大)投手
01位 濱口遥大(神奈川大)投手
02位 水野滉也(東海大北海道)投手
03位 松尾大河(秀岳館高)内野手
04位 京山将弥(近江高)投手
05位 細川成也(明秀日立高)投手
06位 尾仲祐哉(広島経済大)投手
07位 狩野行寿(平成国際大)内野手
08位 進藤拓也(JR東日本)投手
09位 佐野恵太(明大)投手
≪育成≫
01位 笠井崇正(信濃グランセローズ)投手

【阪神】
01位 大山悠輔(白鴎大)内野手
02位 小野泰己(富士大)投手
03位 才木浩人(須磨翔風高)投手
04位 濱地真澄(福岡大大濠高)投手
05位 糸原健斗(JX-ENEOS)内野手
06位 福永春吾(徳島インディゴソックス)投手
07位 長坂拳弥(東北福祉大)捕手
08位 藤谷洸介(パナソニック)投手

【ヤクルト】
01位 寺島成輝(履正社高)投手
02位 星知弥 (明大)投手
03位 梅野雄吾(九産大九産高)投手
04位 中尾輝 (名古屋経済大)投手
05位 古賀優大(明徳義塾高)捕手
06位 菊沢竜佑(相双リテック)投手
≪育成≫
01位 大村孟 (石川ミリオンスターズ)捕手

【中日】
01位〇柳裕也 (明大)投手
02位 京田陽太(日大)内野手
03位 石垣雅海(酒田南高)内野手
04位 笠原祥太郎(新潟医療福祉大)投手
05位 藤嶋健人(東邦高)投手
06位 丸山泰資(東海大)投手
≪育成≫
01位 木下雄介(徳島インディゴソックス)投手

【日本ハム】
01位✕田中正義(創価大)投手
01位✕佐々木千隼(桜美林大)投手
01位 堀瑞輝 (広島新庄高)投手
02位 石井一成(早大)内野手
03位 高良一輝(九産大)投手
04位 森山恵佑(専大)外野手
05位 高山優希(大阪桐蔭高)投手
06位 山口裕次郎(履正社高)投手
07位 郡拓也 (帝京高)捕手
08位 玉井大翔(新日鐵住金かずさマジック)投手
09位 今井順之助(中京高)内野手

【ソフトバンク】
01位〇田中正義(創価大)投手
02位 古谷優人(江陵高)投手
03位 九鬼隆平(秀岳館高)捕手
04位 三森大貴(青森山田高)内野手
≪育成≫
01位 大本将吾(帝京五高)外野手
02位 長谷川宙輝(聖徳学園高)投手
03位 田城飛翔(八戸学院光星高)外野手
04位 森山孔介(藤沢翔陵高)内野手
05位 清水陸哉(京都国際高)外野手
06位 松本龍憲(崇徳高)内野手

【ロッテ】
01位✕田中正義(創価大)投手
01位〇佐々木千隼(桜美林大)投手
02位 酒居知史(大阪ガス)投手
03位 島孝明 (東海大市原望洋高)投手
04位 土肥星也(大阪ガス)投手
05位 有吉優樹(九州三菱自動車)投手
06位 種市篤暉(八戸工大一高)投手
07位 宗接唯人(亜大)捕手
≪育成≫
01位 安江嘉純(石川ミリオンスターズ)投手
02位 菅原祥太(日本ウェルネススポーツ大)外野手

【西武】
01位 今井達也(作新学院高)投手
02位 中塚駿太(白鴎大)投手
03位 源田壮亮(トヨタ自動車)内野手
04位 鈴木将平(静岡高)外野手
05位 平井克典(ホンダ鈴鹿)投手
06位 田村伊知郎(立大)投手

【楽天】
01位 藤平尚真(横浜高)投手
02位 池田隆英(創価大)投手
03位 田中和基(立大)外野手
04位 菅原秀 (大体大)投手
05位 森原康平(新日鉄住金広畑)投手
06位 鶴田圭祐(帝京大準硬式野球部)投手
07位 野元浩輝(佐世保工高)投手
08位 石原彪 (京都翔英高)捕手
09位 高梨雄平(JX-ENEOS)投手
10位 西口直人(甲賀健康医療専門学校)投手
≪育成≫
01位 千葉耕太(花巻東高)投手
02位 南要輔 (明星大)内野手
03位 向谷巧巳(兵庫ブルーサンダース)内野手
04位 木村敏靖(履正社医療スポーツ専門学校)投手

【オリックス】
01位 山岡泰輔(東京ガス)投手
02位 黒木優太(立正大)投手
03位 岡崎大輔(花咲徳栄高)内野手
04位 山本由伸(都城高)投手
05位 小林慶祐(日本生命)投手
06位 山崎颯一郎(敦賀気比高)投手
07位 飯田大祐(ホンダ鈴鹿)捕手
08位 澤田圭佑(立大)投手
09位 根本薫 (霞ヶ浦高)外野手
≪育成≫
01位 張奕  (日本経済大)外野手
02位 榊原翼 (浦和学院高)投手
03位 神戸文也(立正大)投手
04位 坂本一将(石川ミリオンスターズ)内野手
05位 中道勝士(明大)捕手

◇◇◇

 さて、個人的に特に気になる球団(巨人)、地域(東京)、母校(早稲田大)について。

 巨人も他球団同様に投手の補強が急務だったが、田中正義(→ソフトバンク)、佐々木千隼(→ロッテ)と外れてしまったため、万年課題となって久しい二遊間の強化に方向転換して、中京学院大の吉川尚輝を外れ1位に指名。50メートル5秒7の俊足の右投げ左打ちで、広島の菊地と同じ東海地区岐阜リーグの出身。以下は即戦力投手の補強を軸にした形。5、6位には甲子園で活躍した創志学園の150キロ超右腕の高田萌生と、172センチと上背はないものの最速148キロのストレートと変化球のコンビネーションが光る二松学舎大付の大江竜聖を獲得。

 個人的には広島新庄の左腕・堀瑞輝(→日本ハム)や捕手層を厚くさせる将来性のある高校生捕手、秀岳館の九鬼隆平(→ソフトバンク)や日大三の坂倉将吾(→広島)、帝京の郡拓也(→日本ハム)あたりを獲って欲しかったが。

 東京の高校では、前述の二松学舎の大江、日大三の坂倉、帝京の郡に加えて、聖徳学園の左腕・長谷川宙輝がソフトバンクの育成2位に指名。ソフトバンクの育成には一度戦力外通告されたものの育成契約を結んだ“下町のダルビッシュ”こと足立学園出身の吉本祥二がいるが、ともに全国的に無名な存在から1軍への切符を掴み取れるか。

 東京六大学からは柳などの明治大、田村、澤田などの立教からそれなり指名されたが、早稲田大からは日本ハムが指名した石井一成のみとやや寂しい結果に。ただ、近年の早稲田の成績を考えると、妥当と言ったところか。

 全体的に見渡すと、注目選手はパ・リーグがおおよそかっさらっていった感じか。田中、佐々木の5球団競合組はもちろん、堀瑞輝(広島新庄)、九鬼隆平(秀岳館)、甲子園優勝投手の今井達也(作新学院)、藤平尚真(横浜)の甲子園活躍組や、ダルビッシュも認めたスライダーと最速152キロを誇るナンバー1社会人右腕・山岡泰輔(東京ガス)も全てパ・リーグへ。順調に成長すれば、しばらくはパ・リーグの優位は揺るがない感じだ。セ・リーグは育成からの大出世組が現れるか。今後に注目したい。






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FC東京×鹿島@味スタ

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 難敵・鹿島に味スタでのリーグ戦で8年ぶりの勝利。

 FC東京にとって浦和と同様、これまで鹿島には分が悪い時期が続いており、ホームでありながらも“鹿島は鬼門”という言葉さえ使われてきた(そもそも鬼門は自らの場所を基準にしての忌むべき方角のことで、ホームが鬼門なることはありえない。ただ、東京から見て忌むべき方角(=北東)に鹿島があるのは確かだが……)。リーグ戦においては、カボレ、長友、大竹の3ゴールで接戦を制した2008年での勝利以来となる。
 ちなみに、東京スタジアムがネーミングライツ契約をして味の素スタジアムとなってからの、リーグ戦における鹿島との対戦成績は次のとおり。
 
2003/04/26 ✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
2003/10/04 ○FC東京 5-1 鹿 島(H・味スタ)
2004/05/22 △FC東京 0-0 鹿 島(A・カシマ)
2004/09/26 ✕FC東京 0-1 鹿 島(H・味スタ)
2005/05/04 ✕FC東京 0-2 鹿 島(H・味スタ)
2005/11/12 △FC東京 1-1 鹿 島(A・カシマ)
2006/07/22 ✕FC東京 2-4 鹿 島(H・松本平)
2006/09/24 ✕FC東京 2-3 鹿 島(A・カシマ)
2007/05/03 ✕FC東京 1-2 鹿 島(H・味スタ)
2007/06/30 ○FC東京 2-1 鹿 島(A・カシマ)
2008/07/13 ✕FC東京 1-4 鹿 島(A・カシマ)
2008/10/26 〇FC東京 3-2 鹿 島(H・味スタ)
2009/04/12 ✕FC東京 1-2 鹿 島(H・味スタ)
2009/08/23 ✕FC東京 1-3 鹿 島(A・カシマ)
2010/04/10 △FC東京 1-1 鹿 島(H・味スタ)
2010/08/14 △FC東京 1-1 鹿 島(A・カシマ)
2012/04/14 ✕FC東京 1-2 鹿 島(H・味スタ)
2012/10/06 ✕FC東京 1-5 鹿 島(A・カシマ)
2013/05/25 ✕FC東京 2-3 鹿 島(A・カシマ)
2013/10/05 ✕FC東京 1-4 鹿 島(H・国 立)
2014/07/19 △FC東京 1-1 鹿 島(H・味スタ)
2014/08/30 △FC東京 2-2 鹿 島(A・カシマ)
2015/05/10 ✕FC東京 0-1 鹿 島(H・味スタ)
2015/07/25 ✕FC東京 1-2 鹿 島(A・カシマ)
2016/03/19 ✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
2016/10/22 〇FC東京 2-1 鹿 島(H・味スタ)

 なかには、ケリー、アマラオらが得点した2003年の5-1での勝利など、最近FC東京を知ったファン・サポーターには信じられないかもしれないスコアでの勝利もあるが、2003年から2016年までの14年間で(2011年のJ2期を除く)鹿島と26回対戦して、僅か4回しか勝てていないのは、“鬼門”と揶揄されても致し方ないところか。

 その味スタで8年ぶりの勝利となった試合だが、確かに序盤からFC東京はアグレッシヴに動き、攻勢に出た。攻撃でのコンビネーションも良く、梶山、田邉のダブルボランチがボールをキープ、散らしてトップの前田、2列目の中島、東、河野へ配球すると、高い位置で素早くボールを動かして鹿島のディフェンスを後手に回らせ、主導権を握った。得点の場面も、中盤で強い当たりで土居からボールを奪取した森重から中島へボールが渡り、中島がエリア内へのスペースへスルーパスを送ると、これに反応していた河野が左アウトサイドの浮き球でゴールへ流し込んだ。実に見事な先制点を奪った。
 その後も前線がファーストディフェンダーとして鹿島へ素早いプレッシャーをかけると、鹿島の良さがまったく見られない展開に。鹿島のDF背後のスペースを巧みに突きながら、終始鹿島を押し込んでいった。

 だが、後半開始から遠藤を鈴木優磨に、63分にファブリシオから中村充孝、81分に土居から小笠原と何とか選手交代で立て直しを図った鹿島も盛り返して、どちらも好機を凌ぐ展開に。そのなかで84分にFC東京が先に追加点を挙げると、試合をほぼ手中に。ただ、逆に開き直った鹿島がシンプルに攻撃をし始めると、アディショナルタイムに右エリアに進出した鈴木優磨のクロスをファーの山本脩斗が頭で叩きつけるシュート。一度は秋元が弾き出したかに見えたが、その後ボールがゴールラインを越えたとの判定で鹿島が1点を返す。
 それでもアディショナルタイム残り2分間をしっかりと守り切り、FC東京が久々に鹿島に勝利。攻守にわたって積極的な仕掛けが奏功し、中断期間のトレーニングの成果を示したといえる。

 しかしながら、課題が少なかった訳ではない。先制点を奪ってさらに攻勢に出た前半だが、もっとシュートを放っていい場面が散見。エリア付近での狭い地域での素早いパス回しで相手を翻弄する場面もあったが、あくまでもゴールを奪ってナンボ。面白いようにワンツーやパス交換が続く状況に自惚れた訳ではないだろうが、やはりシュートまでの時間を費やし過ぎる。狭い地域をこじ開けるような攻めが多く、そこで一本逆サイドに展開していたら、アタッキングサードでの細かいパスばかりでなく、早めのミドルを放っていたら、さらに相手につけ入りやすくなり、楽に追加点が奪えたはずだ。
 また、攻勢に回ったゆえ躍動した梶山、田邉のボランチだが、ボールを持ち過ぎて奪われる場面は相変わらずなくならず。他の選手もそうだが、周囲の状況を察知しての球離れの速さとしっかりしたトラップからの動き出しの精度をもっと高めなければいけない。

 そして、何といっても一番大きかったのは、鹿島の出来が悪すぎたということ。東京にとって苦汁をなめさせられている遠藤は不発で、柴崎や土居も存在感なく、金崎は空回りしていた感が否めない。中断期間にタイ遠征を敢行してチームの立て直しを図ったようだが、金崎の監督批判後の影響が消えていないのか、鹿島らしくないチーム状況だったことがFC東京の勝利の要因としては小さくないというのも事実。この試合の展開であれば、無失点で勝利しなければいけないところ、またもやアディショナルタイムに失点。内容で圧倒した感があるかもしれないが、追加点を奪えていなかったらと考えると、もろ手を挙げて喜べるとは言い難い。最後まで集中を切らさずに終えるということが出来なかった点は大いに反省してもらいたい。

 リーグ戦も残りあと2節。次の仙台戦はホーム最終戦となる。“頂戦”を掲げたものの優勝戦線に絡むことなく終わるシーズンとなるが、天皇杯や来季に繋がる試合をして、ホームでの有終を飾ってもらいたい。

◇◇◇

【J1リーグ戦 第15節】
2016年10月22日/味の素スタジアム/14:04キックオフ
観衆:37,317人
天候:曇、弱風
気温:18.4度/湿度:60%
主審:榎本一慶/副審:金井清一、蒲澤淳一/4審:中村太

 FC東京 2(1-0、1-1)1 鹿 島

得点:
(東):河野広貴(14分)、前田遼一(84分)
(鹿):山本脩斗(90+1分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
37 DF 橋本拳人
03 DF 森重真人
05 DF 丸山祐市
06 DF 室屋成
10 MF 梶山陽平
27 MF 田邉草民
17 MF 河野広貴 → 水沼宏太(37分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉 → ネイサン・バーンズ(90+3分)
20 FW 前田遼一

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
25 DF 小川諒也
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
48 MF 水沼宏太
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ
 
≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【J1リーグ】

≪2ndステージ≫
第01節 2016/07/02(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥 栖(A・ベアスタ)
第02節 2016/07/09(土)19:00〇FC東京 1-0 甲 府(H・味スタ)
第03節 2016/07/13(水)19:00✕FC東京 1-2 福 岡(A・レベスタ)
第04節 2016/07/17(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (H・味スタ)
第05節 2016/07/23(土)18:30✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第06節 2016/07/30(土)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(A・デンカS)
第07節 2016/08/06(土)19:00〇FC東京 3-2 磐 田(H・味スタ)
第08節 2016/08/13(土)19:00✕FC東京 1-4 神 戸(A・ノエスタ)
第09節 2016/08/20(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(H・味スタ)
第10節 2016/08/27(土)18:00△FC東京 1-1 名古屋(A・豊田ス)
第11節 2016/09/10(土)19:00〇FC東京 3-0 湘 南(H・味スタ)
第12節 2016/09/17(土)19:00✕FC東京 1-3 浦 和(H・味スタ)
第13節 2016/09/25(日)16:00△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)
第14節 2016/10/01(土)19:00〇FC東京 1-0 広 島(A・Eスタ)
第15節 2016/10/22(土)14:00〇FC東京 2-1 鹿 島(H・味スタ)

第16節 2016/10/29(土)14:00 FC東京×仙 台(H・味スタ)
第17節 2016/11/03(木)13:30 FC東京×大 宮(A・NACK)

◇◇◇

≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮(H・味スタ)
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸(H・味スタ)
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋(H・味スタ)
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (A・ 柏 )
第07節 2016/04/16(土)15:00✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第08節 2016/04/24(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府(A・中銀スタ)
第09節 2106/04/29(金)17:00✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第11節 2016/05/08(日)16:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・BMWス)
第12節 2016/05/13(金)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖(H・味スタ)
第14節 2016/05/29(日)17:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第15節 2016/06/11(土)15:00△FC東京 0-0 磐 田(A・エコパ)
第10節 2016/06/15(水)19:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第16節 2016/06/18(土)19:00△FC東京 1-1 新 潟(H・味スタ)
第13節 2106/06/22(水)19:30✕FC東京 2-3 浦 和(A・埼 玉)
第17節 2016/06/25(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(A・日産ス)

≪1stステージ 順位表≫
01 鹿 島 39/17/12/3/02/29/10/+19
02 川 崎 38/17/11/5/01/33/15/+18
03 浦 和 33/17/10/3/04/26/16/+10
04 広 島 29/17/08/5/04/32/18/+14
05 大 宮 26/17/07/5/05/17/18/-01
06 G大阪 24/17/07/3/07/22/20/+02
07  柏  24/17/06/6/05/20/21/-01
08 磐 田 23/17/06/5/06/21/23/-02
09 FC東京 23/17/06/5/06/16/18/-02
10 仙 台 23/17/07/2/08/20/25/-05
11 横浜FM 22/17/06/4/07/21/19/+02
12 神 戸 20/17/05/5/07/23/25/-02
13 新 潟 18/17/04/6/07/19/25/-06
14 名古屋 17/17/04/5/08/24/29/-05
15 鳥 栖 17/17/04/5/08/10/15/-05
16 湘 南 16/17/04/4/09/18/27/-09
17 甲 府 15/17/03/6/08/18/31/-13
18 福 岡 11/17/02/5/10/11/25/-14
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇





























































◇◇◇






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FC東京×仙台@味スタ

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 味スタで相性が良い仙台を無失点に抑え、ホーム最終節を白星で飾る。

 味スタに仙台を迎えてのJ1リーグホーム最終戦。終始主導権を握っていたFC東京が水沼の今季リーグ初得点で仙台に勝利し、年間順位で勝ち点3差で一つ下の11位の仙台にきっちりと水を開けた形に。

 ただ、試合には勝利したが、鹿島戦ほどのパフォーマンスには至らず。仙台は契約の関係上、FC東京から期限付き移籍している三田の欠場も響いたかもしれないが、前線の野沢もハモン・ロペスも存在感を示せず、低調な出来だったと言わざるをえないなかで、もう1、2点得点出来たところを決められなかったのは、大いに反省しなければならない。

 仙台にはほとんど決定的なチャンスを作らせなかったが、それでもクロスに秋元が不用意に飛び出してしまうなど、守備面での連係にはいま一度徹底する部分があるかと思う。

 今季は5日後のJ1リーグ最終節と天皇杯を残すのみとなった。J1はアウェイ大宮との一戦となるが、少しでも上の順位でフィニッシュ出来るよう気持ちを入れ直したいし、それが天皇杯へも繋がる。もう一つ二つ高みを目指すためには、今年の残り試合でどのような結果を残していけるのかが重要だ。
 
 また、今季のホーム最終節で観客動員数が2万ちょいというのはやや寂しい。魅力的なサッカーはもちろん、結果としても魅力的なものを出していかないと、やはり集客も厳しいものになってしまう。勝利するということがファン・サポーターへの最大のアピールになるということを肝に銘じて、残り試合を全力で駆け回ってもらいたい。

◇◇◇

【J1リーグ戦 第16節】
2016年10月29日/味の素スタジアム/14:04キックオフ
観衆:21,198人
天候:曇、弱風
気温:21.9度/湿度:44%
主審:荒木友輔/副審:数原武志、清野裕介/4審:塚田健太

 FC東京 1(1-0、0-0)0 仙 台

得点:
(東):水沼宏太(14分)
(仙):

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
37 DF 橋本拳人
03 DF 森重真人
05 DF 丸山祐市
06 DF 室屋成
10 MF 梶山陽平
27 MF 田邉草民 → 高橋秀人(83分)
48 MF 水沼宏太 → 羽生直剛(90+1分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉
20 FW 前田遼一 → ネイサン・バーンズ(80分)

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
29 DF 吉本一謙
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
32 MF ユ・インス
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ
 
≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【J1リーグ】

≪2ndステージ≫
第01節 2016/07/02(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥 栖(A・ベアスタ)
第02節 2016/07/09(土)19:00〇FC東京 1-0 甲 府(H・味スタ)
第03節 2016/07/13(水)19:00✕FC東京 1-2 福 岡(A・レベスタ)
第04節 2016/07/17(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (H・味スタ)
第05節 2016/07/23(土)18:30✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第06節 2016/07/30(土)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(A・デンカS)
第07節 2016/08/06(土)19:00〇FC東京 3-2 磐 田(H・味スタ)
第08節 2016/08/13(土)19:00✕FC東京 1-4 神 戸(A・ノエスタ)
第09節 2016/08/20(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(H・味スタ)
第10節 2016/08/27(土)18:00△FC東京 1-1 名古屋(A・豊田ス)
第11節 2016/09/10(土)19:00〇FC東京 3-0 湘 南(H・味スタ)
第12節 2016/09/17(土)19:00✕FC東京 1-3 浦 和(H・味スタ)
第13節 2016/09/25(日)16:00△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)
第14節 2016/10/01(土)19:00〇FC東京 1-0 広 島(A・Eスタ)
第15節 2016/10/22(土)14:00〇FC東京 2-1 鹿 島(H・味スタ)
第16節 2016/10/29(土)14:00〇FC東京 1-0 仙 台(H・味スタ)

第17節 2016/11/03(木)13:30 FC東京×大 宮(A・NACK)

◇◇◇

≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮(H・味スタ)
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸(H・味スタ)
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋(H・味スタ)
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (A・ 柏 )
第07節 2016/04/16(土)15:00✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第08節 2016/04/24(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府(A・中銀スタ)
第09節 2106/04/29(金)17:00✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第11節 2016/05/08(日)16:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・BMWス)
第12節 2016/05/13(金)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖(H・味スタ)
第14節 2016/05/29(日)17:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第15節 2016/06/11(土)15:00△FC東京 0-0 磐 田(A・エコパ)
第10節 2016/06/15(水)19:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第16節 2016/06/18(土)19:00△FC東京 1-1 新 潟(H・味スタ)
第13節 2106/06/22(水)19:30✕FC東京 2-3 浦 和(A・埼 玉)
第17節 2016/06/25(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(A・日産ス)

≪1stステージ 順位表≫
01 鹿 島 39/17/12/3/02/29/10/+19
02 川 崎 38/17/11/5/01/33/15/+18
03 浦 和 33/17/10/3/04/26/16/+10
04 広 島 29/17/08/5/04/32/18/+14
05 大 宮 26/17/07/5/05/17/18/-01
06 G大阪 24/17/07/3/07/22/20/+02
07  柏  24/17/06/6/05/20/21/-01
08 磐 田 23/17/06/5/06/21/23/-02
09 FC東京 23/17/06/5/06/16/18/-02
10 仙 台 23/17/07/2/08/20/25/-05
11 横浜FM 22/17/06/4/07/21/19/+02
12 神 戸 20/17/05/5/07/23/25/-02
13 新 潟 18/17/04/6/07/19/25/-06
14 名古屋 17/17/04/5/08/24/29/-05
15 鳥 栖 17/17/04/5/08/10/15/-05
16 湘 南 16/17/04/4/09/18/27/-09
17 甲 府 15/17/03/6/08/18/31/-13
18 福 岡 11/17/02/5/10/11/25/-14
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇





























































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大宮×FC東京@NACK5

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 篠田体制以降8勝2分2敗、4連勝で最終節を終える。

 序盤はほぼハーフコートマッチのように東京の時間帯が続き、24分に水沼のCKから橋本が頭で合わせて先制。その後もFC東京が優位に試合を進めるが、ボールを支配しながらもシュートまで持ち込む回数が少なく、次第に停滞していく。
 後半からは大宮もシュートチャンスが増え、押し込まれる時間も散見。東京は守備に重心を置くような形になり、選手交代で打開を図る。結局、FC東京はシュート数は6本と大宮の9本に比べて少なかったが、最後まで我慢強く大宮の攻撃を凌いで無失点で勝利を手繰り寄せた。

 前半に先制したものの、追加点が奪えそうな時間帯を活かせず、相手のペースに合わせてしまったところは、まだまだ課題とするところ。FC東京のプレッシャーが活きていたと言えなくもないが、そのプレスに大宮の選手が焦って精度を欠くパフォーマンスが目立ったというのが正直な感想。大宮は年間4位(試合後は5位)といっても、上位2チームとはかなり勝ち点差が開いた順位。得点を奪える機会にしっかりシュートで終わり、得点を重ねていかなければ、優勝戦線や強豪と対等に渡り合えるのは厳しいと言える。

 これでリーグ戦は終了。ラスト4試合は4連勝、篠田監督交代以降は8勝2分2敗とチーム低迷からよく立て直したといえよう。ただ、神戸戦で4失点、浦和とG大阪戦ではともに3失点と大きく守備が崩れる試合もあった。アグレッシヴに攻撃を仕掛けるチームに対しての守備と得点機創出の増加を高めていかなければ、ここぞという試合で相手を上回ることは出来ない。

 シーズン9位という不本意な結果だが、終盤は徐々に意図したサッカーが出来てきたことは成長といえる。この流れを来週の天皇杯に繋げていってもらいたい。

◇◇◇

【J1リーグ戦 第17節】
2016年11月03日/NACK5スタジアム大宮/13:33キックオフ
観衆:12,377人
天候:晴、弱風
気温:20.4度/湿度:31%
主審:佐藤隆治/副審:相樂亨、木川田博信/4審:細尾基

 大 宮 0(0-1、0-0)1 FC東京

得点:
(宮):
(東):橋本拳人(24分)

≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
37 DF 橋本拳人
03 DF 森重真人
05 DF 丸山祐市
06 DF 室屋成
10 MF 梶山陽平 → 高橋秀人(68分)
27 MF 田邉草民
48 MF 水沼宏太 → 河野広貴(78分)
38 MF 東慶悟  → ネイサン・バーンズ(86分)
39 MF 中島翔哉
20 FW 前田遼一

≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
29 DF 吉本一謙
04 MF 高橋秀人
17 MF 河野広貴
22 MF 羽生直剛
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ
 
≪マネージャー≫
篠田善之

◇◇◇

【J1リーグ】

≪年間順位表≫
01 浦 和 74/34/23/05/06/61/28/+33
02 川 崎 72/34/22/06/06/68/39/+29
03 鹿 島 59/34/18/05/11/53/34/+19
04 G大阪 58/34/17/07/10/53/42/+11
05 大 宮 56/34/15/11/08/41/36/+05
06 広 島 55/34/16/07/11/58/40/+18
07 神 戸 55/34/16/07/11/56/43/+13
08  柏  54/34/15/09/10/52/44/+08
09 FC東京 52/34/15/07/12/39/39/+00
10 横浜FM 51/34/13/12/09/53/38/+15
11 鳥 栖 46/34/12/10/12/36/37/-01
12 仙 台 43/34/13/04/17/39/48/-09
13 磐 田 36/34/08/12/14/37/50/-13
14 甲 府 31/34/07/10/17/32/58/-26
15 新 潟 30/34/08/06/20/33/49/-16
16 名古屋 30/34/07/09/18/38/58/-20
17 湘 南 27/34/07/06/21/30/56/-26
18 福 岡 19/34/04/07/23/26/66/-40
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇

≪2ndステージ≫
第01節 2016/07/02(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥 栖(A・ベアスタ)
第02節 2016/07/09(土)19:00〇FC東京 1-0 甲 府(H・味スタ)
第03節 2016/07/13(水)19:00✕FC東京 1-2 福 岡(A・レベスタ)
第04節 2016/07/17(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (H・味スタ)
第05節 2016/07/23(土)18:30✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第06節 2016/07/30(土)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(A・デンカS)
第07節 2016/08/06(土)19:00〇FC東京 3-2 磐 田(H・味スタ)
第08節 2016/08/13(土)19:00✕FC東京 1-4 神 戸(A・ノエスタ)
第09節 2016/08/20(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(H・味スタ)
第10節 2016/08/27(土)18:00△FC東京 1-1 名古屋(A・豊田ス)
第11節 2016/09/10(土)19:00〇FC東京 3-0 湘 南(H・味スタ)
第12節 2016/09/17(土)19:00✕FC東京 1-3 浦 和(H・味スタ)
第13節 2016/09/25(日)16:00△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)
第14節 2016/10/01(土)19:00〇FC東京 1-0 広 島(A・Eスタ)
第15節 2016/10/22(土)14:00〇FC東京 2-1 鹿 島(H・味スタ)
第16節 2016/10/29(土)14:00〇FC東京 1-0 仙 台(H・味スタ)
第17節 2016/11/03(木)13:30〇FC東京 1-0 大 宮(A・NACK)

≪2ndステージ 順位表≫
01 浦 和 41/17/13/02/02/35/12/+23
02 神 戸 35/17/11/02/04/33/18/+15
03 川 崎 34/17/11/01/05/35/24/+11
04 G大阪 34/17/10/04/03/31/22/+09
05  柏  30/17/09/03/05/32/23/+09
06 大 宮 30/17/08/06/03/24/18/+06
07 横浜FM 29/17/07/08/02/32/19/+13
08 鳥 栖 29/17/08/05/04/26/22/+04
09 FC東京 29/17/09/02/06/23/21/+02
10 広 島 26/17/08/02/07/26/22/+04
11 鹿 島 20/17/06/02/09/24/24/+00
12 仙 台 20/17/06/02/09/19/23/-04
13 甲 府 16/17/04/04/09/14/27/-13
14 磐 田 13/17/02/07/08/16/27/-11
15 名古屋 13/17/03/04/10/14/29/-15
16 新 潟 12/17/04/00/13/14/24/-10
17 湘 南 11/17/03/02/12/12/29/-17
18 福 岡 08/17/02/02/13/15/41/-26
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

◇◇◇

≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮(H・味スタ)
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸(H・味スタ)
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島(A・カシマ)
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋(H・味スタ)
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1  柏 (A・ 柏 )
第07節 2016/04/16(土)15:00✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第08節 2016/04/24(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府(A・中銀スタ)
第09節 2106/04/29(金)17:00✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第11節 2016/05/08(日)16:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・BMWス)
第12節 2016/05/13(金)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖(H・味スタ)
第14節 2016/05/29(日)17:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第15節 2016/06/11(土)15:00△FC東京 0-0 磐 田(A・エコパ)
第10節 2016/06/15(水)19:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第16節 2016/06/18(土)19:00△FC東京 1-1 新 潟(H・味スタ)
第13節 2106/06/22(水)19:30✕FC東京 2-3 浦 和(A・埼 玉)
第17節 2016/06/25(土)19:00〇FC東京 1-0 横浜FM(A・日産ス)

≪1stステージ 順位表≫
01 鹿 島 39/17/12/3/02/29/10/+19
02 川 崎 38/17/11/5/01/33/15/+18
03 浦 和 33/17/10/3/04/26/16/+10
04 広 島 29/17/08/5/04/32/18/+14
05 大 宮 26/17/07/5/05/17/18/-01
06 G大阪 24/17/07/3/07/22/20/+02
07  柏  24/17/06/6/05/20/21/-01
08 磐 田 23/17/06/5/06/21/23/-02
09 FC東京 23/17/06/5/06/16/18/-02
10 仙 台 23/17/07/2/08/20/25/-05
11 横浜FM 22/17/06/4/07/21/19/+02
12 神 戸 20/17/05/5/07/23/25/-02
13 新 潟 18/17/04/6/07/19/25/-06
14 名古屋 17/17/04/5/08/24/29/-05
15 鳥 栖 17/17/04/5/08/10/15/-05
16 湘 南 16/17/04/4/09/18/27/-09
17 甲 府 15/17/03/6/08/18/31/-13
18 福 岡 11/17/02/5/10/11/25/-14
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

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FC東京U-23×長野@駒沢

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 J最年少出場記録の久保が注目されるも、試合は低調に終わる。

 入場観客数がJ3では異例の7600人超、多数の報道陣・カメラマンが集ったFC東京U-23と長野の一戦は、J2昇格争いに望みを繋ぐ長野が、実力通りにFC東京U-23を下した。

 序盤から長野にボールを支配され、自分たちのペースで試合に入れなかったFC東京U-23は、17分に失点すると、そのままズルズルと長野に流れを手繰り寄せられたまま、32分にもロングスローからの対応の甘さで2点を失う。
 全体的に重苦しい試合で前半を終えたFC東京U-23は状況を打開するべく、後半頭から注目の久保建英をピッチへ送る。これで10月30日に今日先発出場した平川怜が相模原戦で記録した16歳6ヵ月10日を上回る、15歳5ヵ月1日のJ3最年少出場記録を更新した。

 小川の浮き球パスに反応して抜け出し、ボックス外左から相手DFを切り返してエリア内へ侵入しグラウンダーのクロスを送った場面や、強めのライナー性のパスをピタッと止めたり、細かなステップで2、3人に寄せられても交わしていくなど、時折注目されるに相応しい“らしい”技術を見せる場面もあったが、沸かせるに値するプレイはそれくらいで、全体としてはチームの連動性が大きく欠けていたこともあり、期待していた“見せ場”はそれほど多く訪れなかった。むしろ、既にJの舞台を経験した平川の方が試合に馴染めていて、何とか自分たちの時間帯に戻そうとコントロールを試みるところも。先日の相模原戦でもそうだったが、平川が馴染み始めてからペースを掴み始めたように、この試合も後半になってようやく長野ゴールに迫る場面も増え、主導権を握り返そうとする流れから林のゴールを生んだともいえる。

 ただ、長野も実力あるチーム。横浜F・マリノスに在籍していた天野貴史、G大阪や神戸などに所属していた橋本英郎、町田や栃木で活躍した勝又慶典、磐田、千葉、松本などにも所属した荒田智之らがピッチに立ち、主導権を渡さずに時間を進めて、FC東京U-23の反撃を単発に抑えて勝利した。

 FC東京U-23は、全体的に精度を欠く場面が多く、低調に終わった。特に、ディフェンス陣と野澤英之、さらにはGKの圍謙太朗には不用意なミスが散見され、これではなかなかトップチームでポジションを脅かすまでにはいかない出来。難しい試合だったかもしれないが、素早い判断と視野の広さをより意識してプレーしていかないと今後は厳しい。U-18が同日に試合だったため、サブが3人しかいないスクランブル体制であるが、結果はともかく、しっかりとした質の高いプレイを心掛ける準備が足りなかった。J3も2節を残すのみとなったが、その意識を崩すことなく、最後までやり切ってもらいたい。

◇◇◇

【J3リーグ戦 第28節】
2016年11月05日/駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場/13:04キックオフ
観衆:7,653人
天候:晴、弱風
気温:21.4度/湿度:51%
主審:長谷拓/副審:宇田賢史、鈴木渓/4審:金田康秀

 FC東京U-23 1(0-2、1-0)2 長 野

得点:
(東):林容平(70分)
(長):松原優吉(17分)、大島嵩弘(32分)

≪スターティングラインアップ≫ ※ オーバーエイジ枠(GK1名含む)
31 GK 圍謙太朗 ※
26 DF 柳貴博
40 DF 岡崎慎
49 DF 坂口祥尉
25 DF 小川諒也
34 MF 野澤英之
43 MF 鈴木喜丈
14 MF 平川怜
32 MF ユ・インス
15 MF 小山拓哉 → 久保建英(46分)
23 FW 林容平  ※

≪サブスティテューション≫
46 GK 高瀬和楠
28 MF 品田愛斗
50 FW 久保建英

≪マネージャー≫
中村忠

◇◇◇

【J3リーグ】
第01節 2016/03/13(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 相模原(A・ギオンス)
第02節 2016/03/20(日)14:00✕FC東京U-23 2-3 琉 球(H・味フィ西)
第03節 2016/04/03(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 秋 田(A・A-スタ)
第04節 2016/04/10(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 富 山(H・味フィ西)
第05節 2016/04/17(日)14:00△FC東京U-23 1-1 G大23(H・夢の島)
第06節 2016/04/24(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 鳥 取(A・とりスタ)
第07節 2016/05/01(日)14:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(H・味フィ西)
第08節 2016/05/08(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 YS横浜(A・ニッパツ)
第09節 2106/05/15(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 大 分(A・大銀ド)
第10節 2016/05/22(日)15:30△FC東京U-23 0-0 鹿児島(H・夢の島)
第11節 2016/05/29(日)13:00〇FC東京U-23 1-0 長 野(A・南長野)
第12節 2016/06/12(日)14:00△FC東京U-23 1-1 藤 枝(H・味フィ西)
第13節 2106/06/18(土)19:00✕FC東京U-23 1-2 C大23(A・金鳥スタ)
第14節 2016/06/26(日)17:00〇FC東京U-23 1-0 盛 岡(H・味フィ西)
第15節 2016/07/03(日)15:00△FC東京U-23 1-1 福 島(H・駒 沢)
第16節 2016/07/10(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 藤 枝(A・藤枝サ)
第17節 2016/07/16(土)17:00〇FC東京U-23 5-1 琉 球(A・沖縄県陸)
第18節 2016/07/24(日)15:00✕FC東京U-23 1-2 大 分(H・夢の島)
第19節 2016/07/31(日)17:00✕FC東京U-23 0-1 鳥 取(H・味フィ西)
第20節 2016/08/07(日)17:00△FC東京U-23 1-1 栃 木(A・栃木グ)
第21節 2016/09/11(日)13:00△FC東京U-23 1-1 盛 岡(A・盛岡南)
第22節 2016/09/19(月)13:00〇FC東京U-23 1-0 秋 田(H・未 定)
第23節 2016/09/25(日)16:00✕FC東京U-23 0-1 鹿児島(A・鴨 池)
第24節 2016/10/02(日)14:00〇FC東京U-23 2-0 YS横浜(H・味フィ西)
第25節 2016/10/16(日)13:00△FC東京U-23 0-0 富 山(A・富 山)
第26節 2016/10/23(日)14:00△FC東京U-23 1-1 G大23(A・未 定)
第27節 2016/10/30(日)14:00〇FC東京U-23 4-1 相模原(H・味フィ西)
第28節 2016/11/05(土)13:00✕FC東京U-23 1-2 長 野(H・駒 沢)

第29節 2016/11/13(日)13:00 FC東京U-23×福 島(A・とうスタ)
第30節 2016/11/20(日)13:00 FC東京U-23×C大23(H・夢の島)

◇◇◇

【オーバーエイジ枠】
※試合メンバー枠3名+GK1名

【U-23世代選手】
06 DF 室屋成
19 MF 平岡翼
24 MF 佐々木渉
25 DF 小川諒也
26 DF 柳貴博
28 MF 幸野志有人 → 山口へ育成型期限付き移籍
32 MF ユ・インス
34 MF 野澤英之
37 MF 橋本拳人
39 MF 中島翔哉
【JFA・Jリーグ特別指定選手・2種登録選手】
14 MF 平川怜 (​FC東京U-18)
15 DF 小山拓哉(特別指定選手)
21 FW 半谷陽介(FC東京U-18) ※09/02抹消
21 DF 岡庭愁人(​FC東京U-18)
28 MF 伊藤純也(FC東京U-18) ※09/02抹消
28 MF 品田愛斗(​FC東京U-18)
30 MF 内田宅哉(FC東京U-18)
33 DF 蓮川壮大(FC東京U-18)
35 FW 矢島輝一(特別指定選手)
36 DF 山田将之(特別指定選手)
40 DF 岡崎慎 (FC東京U-18)
41 GK 波多野豪(FC東京U-18)
42 MF 生地慶充(FC東京U-18)
43 MF 鈴木喜丈(FC東京U-18)
45 FW 松岡瑠夢(FC東京U-18) ※09/02抹消
45 MF 小林真鷹(​FC東京U-18)
46 GK 高瀬和楠(FC東京U-18)
49 FW 鈴木郁也(FC東京U-18) ※09/02抹消
49 DF 坂口祥尉(​FC東京U-18)
50 MF 久保建英(​FC東京U-18)

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